匿名性の高いネットワークを実現する Tor が世界中でいかに利用されているかを可視化するデモがすごい!
多彩な機能が素晴らしい
今回ご紹介するのは、Tor(トーア)と呼ばれる匿名性の高いネットワークを構築するための規格やソフトウェアに関するデータを可視化した、非常に多機能なデモサイトです。
私はあまりネットワークやセキュリティといった技術に明るくないのですが、どうやらいくつかのサーバを経由するなどして、匿名性を保ちつつ通信を行うための規格及びソフトウェアを Tor と呼ぶようです。
今回のデモは、そんな Tor による通信を可視化したデモで、見た目も非常にカッコよくなっています。
leaflet を利用したマップデモ
本作は背景のレンダリングにはマップシステム用として広く利用されている leaflet を使っています。
Google Maps などと同じようにインタラクティブに操作することが可能なマップシステムの上に乗っているため、当然ズームアップやドラッグによる地図の移動などが行えるようになっています。
パーティクルそのものは大きさが変化しない(常に 1px の大きさ)であるため、当然、引いて見た場合のほうがパーティクルの光る様子が鮮明になります。
ズームアップしてみるとそれはそれで、精細な動きをしているパーティクルのひとつひとつを眺めることができます。
Tor のネットワークを可視化するものということで、かなり利用されている地域が欧州方面に寄っているのがわかりますね。全体を眺めてもよし、ズームアップして詳細を眺めてもよし、といった感じです。
画面の左下のほうには、パーティクルや地図など、あらゆるものに対してのパラメータ修正が行えるインターフェースが置かれています。
これを利用すると、様々な画面内にあるオブジェクトを自在に可視化させたり、あるいは隠したりといったことが行えますね。
Tor では、完全にサーバの運用者を隠蔽する機能も備わっているらしく、そういった隠蔽されたサーバを Hidden Services とも呼ぶらしいです。
上のメニューのキャプチャ画像を見ると、そのような匿名サーバはオレンジ色のパーティクルで表現されていることがわかります。ボタンを押して切り替えてやれば、そのような匿名サーバだけを可視化することもできます。
さらに、画面の下には時系列のグラフが、そして地域を選択した際には、その地域おけるデータのみをより詳細にグラフで表示する機能が、本作には備わっています。
非常に膨大なデータを扱っているにもかかわらず、それほど動作は重くありません。まずそのことが驚きです。
また、地図のシステムとの親和性、大量のパーティクルを描くための WebGL との親和性など、非常によく考えられているなと感じます。
ただ派手でカッコイイだけでなく、実利も兼ねた素晴らしい作品だと思います。ぜひチェックしてみてください。