特別なあの人に手紙を贈ろう……なんとも雰囲気たっぷりなメールを送るウェブサービス Christmas Express がすごい！
まさに送るというより「贈る」という感じ
今回ご紹介するのは、とあるウェブメールを送信するためのサービスです。
恐らく、年末のクリスマスシーズンに合わせて公開されている特別なサイトなのだとは思いますが、非常に細かいところまで作りこまれており、そのなかでは WebGL が非常に効果的に利用されています。
ちょっと期間限定のキャンペーンサイトなのかどうか定かではありませんが、かなりよくできているので、ぜひみなさんにも使ってみていただきたく、ご紹介します。
時間に余裕のあるときにゆったりメールを書こう
今回のサイト、基本的に WebGL による描画モードと、動画などのメディアファイルを再生するモードが連続して切り替わっていく仕様になっています。
動画、レンダリング、動画、レンダリングと順を追ってステップが進められていきますが、その様子はさながら小さなストーリー仕立てになっており、なんだか一連の操作を終えた時にはちょっとした絵本を読み終わったかのような、感慨深い思いを抱いてしまいます。
上の画像が、最初のサインインの画面です。
背景は、このような場面ではあくまでもプリレンダのもの、つまり画像や動画が流れている状態です。絵本風の柔らかなタッチの絵が、バックで流れている音楽とも相まって、とてもいい雰囲気になっています。
ちなみに、Facebook のアカウントを使ってサインインするか、もしくはアカウントがなくても、利用が可能なように作られています。この手のサービスはたまにアカウントの認証を必須にしているものがありますが、今回のサイトはそういったこともなく、気軽に利用できるようになっているのがいいですね。
先程も書いたように、このサービスはちょっとした物語のように、少しずつストーリーが進行していくシステムになっています。
まず最初は、上の画像にあるように、手紙の台紙にスプレーで色を吹き付けるところからスタートします。この場面は、WebGL で表現されており、マウス操作でインクを吹きかけることができます。
一見すると、このスプレーで色を吹き付ける作業が何をしようとしているところなのかわかりにくいと思いますが……
ある程度インクを吹き付けると、自動的に上のようなシーンに切り替わります。そう、先ほどのスプレーを吹き付けていたのは、この台紙部分にマスキングで模様を描くためのものだったんですね。
いやー、最初から、いきなりなかなか洒落ていますよね。
こんなふうに、WebGL レンダリングによるインタラクティブなシーンと、プリレンダされた動画や静止画が切り替わりながら、徐々に手紙が完成へと近づいていきます。
台紙へのマスキングスプレー作業が終わると、いったん動画に場面が切り替わります。
白紙の手紙がソリのような形をしたお盆に乗せられて運ばれていく様子は、まるでお伽の国のような可愛らしい雰囲気に満ちています。ディズニーなどの世界観を髣髴とさせる、なかなか見応えのある動画がたくさん用意されています。
そして、次の WebGL モードは、手紙の本文を記載する部分で登場してきます。
本文や、そのあとの宛名（電子メールアドレス）を記載するシーンでは、3D で動く、インク製のペンが登場します。
本当に見事だなと思うのが、文字入力に反応して動くペンのそのあまりにも自然な動きです。
文字のラインをなぞるように、そして高速にタイピングするとそれにあわせて高速に動く様子は、本当に驚きです。もちろん、ゆっくりタイピングしているときは、それなりにゆっくり動きますし、本当にこれ、よく出来てます。すごい……
本文を記載するシーンでは、メールに添付する画像ファイルを任意に選ぶことができます。また宛名のシーンでは、こちらはあらかじめ用意されたものから選択する形にはなりますが、自由に切手のデザインを選ぶことができるようになっていますね。
すべての入力が完了すると、メールが発送（正確には予約）されます。
画面に表示された 4 桁のトラッキングコードは、メールが実際の手紙さながらに、どこまで運ばれたのかを追跡するための認証コードです。
電子メールですから、本来は一瞬で届いてしまうものではありますが、このサイトではそのあたりも時間を掛けて、あえて本物の手紙と同じように届くまでの時間を含めて楽しめるようになっているんですね。
どこまで手紙が運ばれたのかは、雪原を駆け抜ける郵便屋さんが教えてくれます。
ちょっと画像が小さいのでわかりにくいかとは思いますが、画面の下の方に、今現在の手紙の配送状況が擬似的に表示されています。
最大で 10 日くらいかけて、時間差で手紙が届けられる仕組みになっているようです。
一応、サイトのタイトルには Christmas Express とあるので、クリスマスに連動した期間限定の、ちょっと凝ったサイトなんだとは思います。ずっと使えるわけではなさそうなので、クリスマスまでの間に、ぜひみなさんも手紙を書いてみてください。
最近では紙の手紙をわざわざ出すということが本当に少なくなりましたが、電子メールをまるで本物の手紙のように、あえて時間をかけて届けるこのサービス、非常に面白いなと思います。
また、WebGL 実装としても非常に凝った作りになっており見どころが多いです。ぜひチェックしてみてください。
