プリント基板の設計データであるガーバーファイルをプレビューできる WebGL ビューア
専門性の高いデータも WebGL で簡単プレビュー
今回ご紹介するのは、ガーバーファイルというプリント基板の設計データ扱う特殊なフォーマットファイルを、WebGL を使って任意に設定しながらプレビューできるビューアです。
恥ずかしながら私はこの手のファイルフォーマットが存在するということすら初めて知ったのですが、基盤の設計のために複数のレイヤーを保持する場合が多く、複数のファイルがセットになっていることが多いのだそうです。
今回のビューアも、もちろんそのような複数ファイルの同時読み込みに対応しています。
そもそもサンプルデータを探すところから
今回のビューアを見つけたとき、興味本位でガーバーファイルについて調べはじめたのですが、いわゆる工業製品などに利用される一般的なファイルであることがわかっても、これのサンプルファイルを探すのがちょっとだけ大変でした。
考えてみれば、製品の設計図であるガーバーファイルを、簡単に公開する事自体難しいはずなので、当たり前といえば当たり前です。
フォーマットを定義していると思われる団体(?)のページにもサンプルはあったのですが、本当に簡易的なものしか見つかりませんでした。
いくつかキーワードを変えながら検索していると、マキシムという企業が見つかりました。どういうものかはわからないのですが、たくさんのガーバーファイルが公開されており、こちらからデータをお借りして、キャプチャを行いました。
ビューアは非常にシンプルなページ構成になっていて、サイトとしての体裁についてはおそらくほとんど何も考えられていないようです。
ページが開いても、出てくるのはガーバーファイルをここにドラッグ・アンド・ドロップしてね! という文言だけです。実際にファイルをドラッグ・アンド・ドロップすると、上の画像に示したように、ファイルの名前と共にどのようなレイヤとして描画するのかを選択するページが出てきます。
おそらく、それぞれのレイヤーごとに銅板であったりドリルで穴を開けた部分であったりと、意味合いがそれぞれ異なっているのだと思うのですが、私の付け焼き刃な知識ではこれを解説することは難しそうです。
わからないなりに、適当にレイヤを選択してビューしてみたものが、以下の画像です。
うーん……
なんか違う気がする。
実際には、それぞれのファイルに収められている情報に適したレイヤフォーマットを選択するべきなのだと思います。
このあたりは、ちょっと専門的な知識がないと適切にファイルの内容に合わせて種類を選ぶのは難しそうですね。
個人的には、ガーバーファイルというフォーマットの存在自体が初めて知ることだったのであまり深追いできず、ちょっと歯がゆい気持ちです。
しかし、こういった専門性の高いデータも、WebGL であればオンラインで気軽に三次元化することができるというのは素晴らしいですよね。
ガーバーファイルについて調べている過程では、検索した結果のなかにどうやって中身を確かめればいいのか、といったような内容も見受けられました。今回の事例のように、ちょっとマイナーであっても必要とする人が必ずいるような WebGL の実装が、少しずつでも増えていってくれたらいいなと感じました。
おそらくこれをご覧になっている方の多くが、ガーバーフォーマットをご存じないのではないか、という懸念もありますが、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ビューアとしては、操作性も悪くなく、非常に良く出来ていると思います。
リンク:
ガーバーファイル - マキシム ※キャプチャ用のデータをお借りしました