まるでちょっとした夏の小旅行……これからの季節にぴったりな A Short Journey
作品中に漂う空気感が素晴らしい一作
今回ご紹介するのは、これから夏を迎える日本にはぴったりの、ちょっとした小旅行をテーマにした WebGL ショートデモ作品です。
こちらの作品は印象的な絵画のような味のある絵と、雰囲気満点のサウンド効果、そしてそれらを見事に結びつけているインタラクションによって彩られています。
タイトル通りのあまり長くないショートデモといった感じの作品ではあるのですが、しかしその完成度は非常に高くなっています。
難しいインタラクションは一切なしのシンプル設計
今回のサイトにはちょっとしたストーリー性があります。
ひとつの映像作品や絵本のおはなしを、そのまま WebGL デモにしてしまったかのような、温かい雰囲気が非常に魅力的な作品です。
デモは全編にわたって、独特なイラストによって描かれています。
また、シンプルながら直感的でわかりやすいインタラクションが仕込まれていて、単なる映像やイラストだけでは表現できないような、ユーザー自身で話を進めていく楽しさがあります。
非常に柔らかな色調のイラストですよね。とても優しい気持ちになるような、そんな雰囲気がただよっています。キャプチャした画像ではわかりにくいと思いますが、イラストをテクスチャにして貼り付けた 3D シーンとして WebGL によって描かれています。
上の画像ではちょっと見えにくいかと思いますが、それぞれのシーンには必ずどこかにインタラクション(マウス操作)を受け付けるサークルと点線が描かれています。
点線の方向に沿ってサークル部分をドラッグすると、それによってシーンが何かしらの影響を受け、次の場面へと移っていく仕組みになっています。
ラップトップを閉じたり、旅行支度の終わったバッグのファスナーを閉めたりと、マウスの動きが物語をひとつひとつ次の場面へと進めていく感じが楽しいです。
音声の再生や、アニメーションのスピード変化など、様々な効果がマウスの操作に伴って起こるようになっています。
これによりよりストーリーの中に見ている人を引きこむような効果があるように感じられます。ユーザーの体験にまで深く考えを巡らせた作品であることがわかりますね。
また、シーン毎にどのような変化があるのかはかなりいろいろなバリエーションがあり、単なるウェブコンテンツ以上の魅力が詰め込まれているなと感じました。
利用されているイラストやサウンドの準備だけでも、結構な手間が掛かっていそうな今回の作品。
その仕上がりを考えれば、構想を抱いた後にこれだけのイラストやサウンドを用意したのだろうと思いますので、かなり大変だったのではないかなと感じます。
しかし、デモの実行中にはそんな小難しいことを考えるような気分にはなりません。非常に楽しい、夏のなにげないとある休日……それを思い起こさせる見事な雰囲気が、本当に素晴らしい作品だと思います。
ぜひチェックしてみてください。