不思議な癒やし効果を持つ小さな小さな WebGL 製のテラリウム Tinycave
ドット絵を活かした癒し空間
今回ご紹介するのは、WebGL を利用してブラウザ上に再現された、テラリウムのオンラインコンテンツ。
余計なものを極力排した、という感じの非常にシンプルでそっけないインターフェースですが、そのシンプルさが、逆に作品の雰囲気を一層引き立てているような印象を受けます。
こちらのページの作者さんは、ドット絵をふんだんに利用したゲームなどにも関わっている方のようで、温かみのあるドット絵がなんともいえない世界観を作り出しています。
基本的には眺めるだけのシンプルコンテンツ
今回の作品は、ゲーム性などはほとんどありません。
一応、サウンドなどがうっすらと再生されたりもしますが、基本的には、まるで観葉植物を眺めるように、静かに、ただただコンテンツを眺めるというのがこのサイトのコンセプトです。
小さなガラス瓶などのなかに、自然の土や草などを入れることで小さな箱庭のようなものを作って鑑賞する「テラリウム」というものがありますが、今回のサイトは、これのウェブ版と公式にうたわれています。
そのテラリウムの表現にふさわしく、よく見ると、地面だけでなく草や水の流れなどが表現されていることがわかると思います。
この即席で作られたような小さな世界は、毎回ページをロードするたびにランダムに地形などが生成されるようになっているみたいですね。
画面内には、水の滲み出すエリアなど特殊な地層が必ず含まれるように、最低限の調整がされているようです。それでも、姿形は毎回異なっています。
なんらかのアルゴリズムを利用して、地形をランダムに生成しているのだと思います。
あまり、極端にバラバラになったような地形は出てきませんが、多少、隙間のある場所があったりはするみたいです。
この即席のテラリウムは、いくつかのブロック上のパーツが組み合わさることによって構成されています。
画面内の、地形やちょっと黄色っぽい感じの草など、いくつかのパーツはその部分をクリックすることで、一時的にピックアップすることができるようになっています。
ピックアップしたアイテムは、別の場所にくっつけるようにして再度クリックするとリリースでき、ある程度までは、自由に形を変形させることができます。
自分ごのみのテラリウムを作りこんでいくような感じで、自在に変化させられるようになっているわけですね。
なかなか芸が細かいです。
草をいっぱい並べてみたの図。
癒し空間を演出するために、こういったドット絵調の雰囲気でなにかを表現するというのは、簡単そうに見えて、シンプルなだけにかなりのセンスを必要とします。
今回のページの作者さんは、雰囲気のいいドット絵のゲームに関わっていたり、Twitter の発言を追ってみるとドット絵に関するつぶやきが多かったりと、かなりこういった表現に思い入れの強い方のようですね。
一見すると、何をどうしたらいいのか、わからないようなコンテンツではありますよね。しかし、まるでスクリーンセーバーや、あるいはそれこそ本物のテラリウムのように、ぼんやり眺めて過ごすためのものだと思って見てみると、すごく完成度の高いものであることがわかります。
私にはとても真似のできない、素晴らしい作品だなと思いました。はたして WebGL を使う必要があったのか……というのは言っちゃダメです(笑)
ぜひ、みなさんもチェックしてみてください。