DemoScene 用に作られた WebGL の 3DCG Demo 作品 Naturally Undead!

doxas : 2016-09-18 12:43:02

Evoke 2016 出展作品

ドイツでこの夏に行われた DemoScene のイベント、Evoke 2016。

日本では、TokyoDemoFest というデモパーティがあり、毎年 2 月頃に開催されています。Evoke 2016 はドイツのケルンで行われたイベントで、そのなかには、WebGL をプラットフォームとして提出された作品もありました。

今回ご紹介するのは、そんなデモ作品として作られた WebGL 製のデモになります。

比較的ローポリゴンな幾何学的なモデルを活用

今回の作品は、ウェブ上に公開されてはいますが、あくまでも Demo 作品という位置づけです。ですから、マウスなどでインタラクティブに操作したりといったことは考えられておらず、あくまでも、鑑賞することに主眼を置いた作品という形になっています。

通常、デモパーティでは、巨大なスクリーンで作品が上映されることになりますが、そこで運営側が勝手にマウスを動かして見せる、というわけにもいかないので、そこは仕方ないところですね。

そういう意味では、普段、当サイトで紹介しているようなウェブコンテンツとしての WebGL 作品とは、ちょっと毛色が違うということも、言えるかと思います。

作品のタイトルは「Naturally Undead」

どういった意味が込められているのか……考えるのも、無粋かもしれません。でも、ナチュラル、あるいはアンデッドというキーワードから想像できるような、いくつかのモチーフが登場する作品になっています。

DemoScene では、美しく高度なグラフィックスを描くことにもちろん注力しますが、同時に非常に重要視されるのが、サウンドとの連携や一体感といった、ビジュアルだけではない表現力の高さです。

今回の作品も、少しミステリアスな雰囲気の音楽を効果的に使いつつ、シーンの移り変わりと音楽の雰囲気の変化が、ある程度リンクするような演出になっているみたいです。

蛇のような柄の細長い筒状のモデルや、アジア圏の民族衣装を思わせるような、不思議なペラペラな人物モデルなどが登場します。

また、迫力のあるドクロ風のモデルからは、各頂点に仕込まれていると思われる葉をモチーフにした菱型のポリゴンが、飛び出したり消えたりを繰り返したりして、シーンを彩ります。

WebGL はどうしてもネイティブと比較してパフォーマンスに神経質になる必要があるので、今回の作品のように、頂点数が少ないなかで演出を行っていく作品が多いような気がします。

だからといって安っぽく見せないように、うまく見せ方を工夫してやらないといけないので、なかなか簡単にはいきませんね。

同じく菱型をうまく利用した面白い文字表現。

さて、ウェブを中心に活動している方からすると、DemoScene という文化そのものが、ちょっとわかりにくいものに感じるかもしれません。

端的に言うなら、DemoScene は 3DCG 野郎ども(もちろん女子も)のお祭りです。みんなで作品を持ち寄りながら、それを眺めて、楽しいひとときを過ごすという、素晴らしい思想の上に成り立っています。

今回の作品は、ビジュアルはどちらかというとシンプルで、あまり派手さを感じさせるような内容ではありませんね。しかし「WebGL でのデモ作品」のお手本のような作りで、とてもきれいにまとまっているなと思いました。

音楽も含め、ビジュアルだけでなく、ひとつの映像作品として眺めてみてください。こんな作品がウェブ上で普通に動くというのは、あらためて、なんだかすごい時代だなと感じます。

ぜひチェックしてみてください。

リンク:

Naturally Undead

true color demo scene - Evoke 2016

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