質感の高さに思わず見入ってしまう……WebVR 対応を全面に打ち出したインテリア製品向けのデジタルショールーム
老舗デジタルスタジオのデモ作品
今回ご紹介するのは、老舗のデジタルスタジオとして、ウェブだけでなく様々な場面で CG 作品を手掛けてきた Little Workshop というスタジオのデモ作品。
WebVR に対応しているデジタルショールーム、あるいは VR になぞらえバーチャルショールーム、というふうに形容されるタイプのコンテンツです。
今回の作品のすごいところは、個人的な見方になってしまいますが VR 対応だけではないと思います。老舗の、たくさんの事例を手掛けてきた彼らだからこそできたその高い品質は、本当に脱帽モノだと思います。
インテリアに命を吹き込む
今回のサイトは、あくまでも彼らのサイトに置かれているデモ作品なので、実際に案件としてリリースされたものではなく、掲載されている商品も本当に実店舗で売られているものなどではないようです。
しかし、そのレンダリングの高い品質を体感するには充分な内容になっていて、VR モードや、PC を用いての通常の閲覧、またそこに描かれるレンダリングの美しさだけでも一見の価値があると思います。
コンテンツのロードが完了すると、ショールームに入るためのボタンが押せるようになりますので、ボタンをクリックしてショールームに入りましょう。
フォトリアル、と言い切るには若干 CG っぽさが残っていますが、それでも WebGL でこれだけのシーンが描かれているというのは単純にすごいですね。
上の画像を見るだけでも、日光の自然な雰囲気や、手前に置かれている椅子の質感など、思わず目を引きますよね。
カメラはある程度は自動で部屋の中を見回すように動き続けます。
ただ、ドラッグ操作などで任意の角度へ視線を向けることは可能です。
またマウスカーソルと部屋の中にある一部のオブジェクトが衝突判定を検出するようになっており、選択できるオブジェクトはそのシルエットがハイライトされるようになっています。
天井から吊るされたライトにカーソルを合わせたところ。
このハイライトが入るタイプのオブジェクトは、そこからさらに質感を変更して、任意のマテリアルを適用することができるようになっています。
このときは、対象となるオブジェクトにカメラがフォーカスしたようなアングルとなり、画面のしたのところには球体状のマテリアルを適用されたオブジェクトが出てきます。
もちろん、これらの球体をクリックしてやれば、オブジェクトそのものに適用されているマテリアルも変わります。
金属やプラスチックのような、つるつるした表面のマテリアルは、CG では比較的再現しやすいタイプの質感だと言えます。
たとえば環境マッピングのようなテクニックを用いてやるだけで、そこそこ見栄えのするものが描けるため、難易度的にはそこまで高くないわけですね。
ですがこちらのサイトはそれに留まらず、布や、あるいは革といった、ちょっと風合いを似せるのが難しいようなオブジェクトにもきちんと対応がされています。
まるで物理ベースレンダリングのような非常に繊細で細かい質感表現がされていて、見ていて本当に楽しいです。
布の生地の目や革のシワの寄り具合なども見事!
冒頭にも書いたとおりで、今回のデモを制作した Little Workshop は WebGL コンテンツやそれ以外の CG コンテンツを多く手掛けてきた非常に技術力のあるデジタルスタジオです。
CG の技術に長けた組織が生み出すコンテンツの底力というか、その凄みを感じさせる内容になっていると思います。
現代ではゲームエンジンなどがどんどん進化していて、ツールの使い方を覚えさえすれば、以前と比べたら比較的簡単に誰でもきれいな CG が描ける時代になってきているとは思います。それでも、こうしてウェブという世界線でこんな CG 作品が閲覧できるというのは、非常に興味深いことだなと感じました。
WebGL を多少なりとも経験したことがある方なら、きっと様々な面で驚かされる内容だと思います。
ぜひチェックしてみてください。