
WebGL 関連のコンテンツをこれまでにも配信したことのあるプジョーから VR 風の WebGL デモが配信中
インパネの起動アニメーションなど芸が細かい
今回ご紹介するのは、自動車メーカーのプジョーのウェブサイトで、新しく販売されるモデルのティザーサイトのような位置づけです。
プジョーはこれまでにも、結構挑戦的な内容の WebGL コンテンツを複数配信してきた企業で、新車が発表される際になにかとこういったウェブコンテンツを出していますね。
今回のサイトは、VR モードを備え、車内の様子をより直感的に見ることができるなど、やはりひと工夫加えられた内容となっています。
日本語サイトも用意されているけどデモは同じもの
プジョーはフランスの自動車メーカーで、日本でもたまに走っているのを見かけますよね。フランスは自動車メーカーだけでなく、風土的なものなのか文化的なものなのか、WebGL を利用したサイトの事例が非常に多い地域でもあるのですが、今回のサイトもしっかりと抜かりなく高い品質で作られていると思います。
どうやら今回紹介されている 3008 という車種は、欧州で 2017 年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモデルのようで、これだけリッチなサイトを用意しているのもうなずけます。
デモが始まると、荘厳な感じの迫力ある BGM が流れると共に、画面の奥の方から 3008 が登場してくるというイントロを見ることができます。
ヘッドライトの光がぼんやりと浮かび上がる様子など、なかなか味のある演出でかっこいいです。
渋い BGM の雰囲気と、暗がりからゆっくりと滑り出してくるかのような演出がすごくマッチしていて、ほんとにすごく印象的なイントロになってると思います。
そしてこのイントロ部分からシームレスに繋がるように、デモモードがそのままスタートします。
デモモードでは、画面の右側に丸いボタンのような、アイコンのような部分が出てきて、これをクリックすることでボディの特定の場所にカメラがフォーカスし、細部まで観察できる仕組みになっています。
フロントなんかはメタリックな雰囲気や LED ライトの露光なども表現されていて、CG に詳しい人ならともかく……あまりこういったウェブ上の 3D 表現に慣れていないユーザーなら、かなり驚くのではないでしょうか。
また、車内の様子を見ることができるモードも用意されており、こちらが VR モードに対応しています。
PC での閲覧時はマウスで操作する感じですが、車内の一部にはクリックすることで反応するボタンなども用意されていて……
エンジンスタートのボタンをクリックした際などは、電源が落ちて真っ黒だったインパネ部分に起動時のアニメーションが表示されるなど、細かいところまでこだわりの感じられる作りになっています。
実際に試乗するのと同じとはさすがに言えないですが、車内の雰囲気などが手に取るようにわかりますね。
自動車のような、比較的高額の商品を扱う企業では、こういったウェブを使ったプロモーションに WebGL を利用するケースが多いような気がします。
単価が高い商品だけに、いかにしてユーザーの目に留まるかを重視しているのだと思いますが……
こういった先進的な取り組みがしっかりと成果に繋がっているかどうかは、正直メーカーさえも把握できているかどうかわかりません。というか多分、測ること自体が難しいですよね。
WebGL を用いたことでそれが話題になる時期は既に終わっていると思いますし、こういったサイトがどの程度販促に貢献したのか、WebGL 実装者としてはちょっと気になったりもします。
日本国内では、まだまだこういったサイトの事例は多くありませんが、高い品質の CG をブラウザで配信する技術を持っている人材や制作会社は、今後は重宝されるのかなと思います。今回のサイトは日本語にも一応対応している、という形ですが、デモの中では特に文字が表示されるわけでもないので、本国の制作会社が納品したものをそのまま使っているのかなと思います。
日本でもこういった事例でたくさんのメーカーと制作会社が共に Win Win な関係になれるといいですね。
ぜひチェックしてみてください。