再生される BGM との相性もバッチリで静かな迫力に満ちた作品を生み出す Richard Mattka さんのポートフォリオ
どれも手間の掛かった作品ばかり
今回ご紹介するのは、Richard Mattka さんのポートフォリオサイトです。
WebGL の黎明期から、WebGL を使った作品を世に送り出していた Richard Mattka さんは、WebGL に興味があってウォッチしていた人なら結構知っている人が多いのではないでしょうか。
WebGL だけでなく、様々なデジタルガジェットを使った技術作品にトライしていたり、アート性の高い作品も作ってらっしゃったりするのですが、それらの作品をうまくまとめたポートフォリオサイトになっています。
全体的にビジュアルの品質がかなり高い
今回のサイトは、なんとなくキャプチャ画像を見ただけでも感じるかもしれませんが、本当に美しいグラフィックスをたくさん見ることができるサイトとなっています。
その分、もしかすると若干マシンパワーを必要とする作品もあったりするかもしれません。
まずトップページ部分ですが、ここでは大きな惑星のようなオブジェクトと、その周辺に漂う隕石のような外観のオブジェクトが、神秘的な宇宙の世界観を見事に再現しています。
このトップページ部分では、画面の下の方にサークル模様と矢印を組み合わせたような、可動式スイッチのようなアイコンが用意されています。
クリックするたびにこのスイッチ部分が回転するように動いたりトグルしたりするようになっていて、このスイッチの状態に応じて微妙にトップページにレンダリングされるシーンが変化するようになっていますね。
シーンの状態変化は、時間の経過とも関連してパラメータが変わるようになっているみたいなので、かなり多彩な、複雑なシーンを楽しむことができるようになっています。
また個別のページとして用意されているプロジェクトやプロトタイプのページでは、そのままシームレスに(ブラウザのページ遷移を伴うこと無く)彼の手掛けた様々な事例や実験作品を見ることができます。
シェーダを利用した美しいレンダリングや、レイマーチの仕組みを利用した幻想的なシーンなど、黒い背景にぼんやりと浮かび上がる光の輪郭が美しい作品が多いです。
シェーダを自分で書けるようになっても、それをどう表現に活かせばいいのかって、また別問題なんですよね。
それだけに、シェーダを自在に操ることができる人たちの間でも、作品には一定の傾向が出る場合が多いと思います。
彼の作品を見ていると、そんな表現のひとつのベクトルを感じることができるのではないでしょうか。
美しい、あるいはかっこいいと感じるビジュアルを、とことん追求していった結果が今回のポートフォリオサイトにはぎっしり詰め込まれている、そんな印象を受けるウェブサイトだなと感じました。
シェーダを利用した美しいグラフィックス、と一口に言いっても、その美しさの種類にはいろいろあると思います。
彼の一連の作品には、BGM との親和性や、あるいは動きの工夫など、ビジュアルだけでなくシーン全体を演出する傾向があるような気がしました。それらの様々な効果の組み合わせによって、とても幻想的で、神秘的な、独自の世界観が実現されていると思います。
ぜひチェックしてみてください。