レイマーチングを大胆に配置した美麗背景グラフィックス! KAYAC の XR チーム Rewrite のウェブサイト
アブストラクトな表現はやっぱり気持ちいい
今回ご紹介するのは、カヤック(KAYAC)の XR チーム、Rewrite のウェブサイトです。
コンテンツの量はそれほど多いわけではありませんが、チームのコンセプトや、これまでにこのチームが手掛けてきた事例など、しっかりと紹介されています。
とにかく目を引く迫力の背景グラフィックスが美しい、楽しいウェブサイトとなっています。
リンク:
現実を上書きするチーム Rewrite
今回のサイトや、カヤックの公式のリリース記事などを拝見した感じだと、この Rewrite では「現実を上書きする体験をつくる集団」をコンセプトに、リアルタイム性の高いグラフィックスを扱うチームという位置づけみたいです。
ちょっとリリース記事から引用します。
「Rewrite」はUnity、UnrealEngineを駆使したリアルタイム技術に注力し、VR、AR、展示、映像のクリエイティブ表現を追求したチームです。
現実を上書きする体験をつくる集団 「Rewrite」を発足 | 面白法人カヤック
AR や VR など、最近だとまとめて XR と呼ばれる領域を中心に、リアルタイムなグラフィックスにこだわった制作を行うということなんでしょうね。
リアルタイムグラフィックスを軸にしたチームというだけあって、今回のサイトでも背景のグラフィックスはリアルタイムにレンダリングされた CG で表現されています。
いわゆる「レイマーチング」の手法を用いてフラグメントシェーダを使って描き出される映像は非常に美しいビジュアルに仕上がっています。
波打つような柔らかなシルエットと、まるで溶けていくような絶妙な揺らぐ境界が面白いです。
背景の色は時間の経過と共に変化するようになっていて、赤系の暖色が強く出てくる場面もあれば、青系の寒色が強く出てくる場面もあります。
レイマーチングの原理がわかっている人であれば、オブジェクト同士がまるで溶け合うようにくっついたり離れたりする様子から、どのようなシェーダが書かれているかある程度は予想できるんじゃないかなと思いますが……
美しい光ったような表現と、グラデーションやメインカラーの変化など、非常にかっこいい演出となっています。
ページのコンテンツの大きめのフォントと組み合わさって、シンプルながら力強い、迫力のある外見を実現しています。
カヤックといえばウェブだけでなく様々な事業を手掛ける企業さんですが、そのなかでも XR の分野に特化したチームとして、こういった専用のウェブページを用意しているというのはとてもいい取り組みだなと思いました。
レイマーチングを思いっきり背景の全面で描画しているわけですが、レンダリングの解像度を下げることで負荷を軽減するなど、そういった部分も考慮して実装されているのが(見る人が見ればすぐに)わかると思います。
私は残念ながらカヤックさんとはお仕事をご一緒したことはないですが、いかにも先鋭的な分野で活動するチームらしい、個性的なウェブサイトになっていると感じました。
ぜひチェックしてみてください。