リアルと漫画を織り交ぜた味わい深いテイストがなんとも素晴らしい Prometheus Fuels のウェブサイト
空気中から燃料を得る！？
今回ご紹介するのは Prometheus Fuels という組織のウェブサイトです。
環境に配慮したクリーンエネルギーに関連した事業や研究を行っているのだと思うのですが、今の時点ではまだまだベンチャーという感じで、インフラを支えるような巨大な組織の取り組みとはまた違うようです。
今回のサイトはそんな彼らのビジョンや、思い描いている未来が漫画風の 3DCG によって迫力満点に描き出されます。そのストーリー性はもちろん、ビジュアルとしての説得力も素晴らしいレベルに仕上がっています。
リンク：
スクロールするだけでスルスルと閲覧できる
今回のサイトはコンテンツの量がかなり多く、それらのほとんどにかなり凝ったビジュアル上の工夫が織り込まれています。
グラフィックスがアニメーションしている場合は、それはほとんどのケースで WebGL で描画されていると考えていいでしょう。いわゆる文字で文章が書かれているようなページでも、その文章そのものをグラフィックスとして WebGL でレンダリングしている場面が結構見受けられます。
とは言えやっぱり最初に目につくのは、漫画風のテイストが面白い 3D シーンでしょう。
静止画では伝わらないと思うのでぜひ実際にサイトに行ってご覧になってみていただきたいのですが……
アニメーションするシーンでは「あえてグラフィックスの更新頻度を下げている部分」が存在します。言葉で説明するのが難しいのですが、要は 60fps でヌルヌルと更新される部分と、描画自体は 60fps でもあえて形状変化の頻度を落として、セルアニメのようなテイストで描画している部分があるんですよね。
また、描かれるオブジェクトの表面の質感にもリアルと漫画風の両方が混在していて、たとえば車のボディやホイールなどの金属部分は、妙にリアル寄りなテイストなんですが……
風景や砂煙は、まるで漫画のような仕上がりになっています。
このような異なるテイストが渾然一体となって、不思議とまとまりのあるビジュアルになっているのは本当にすごいですね……
イラストを使っている部分も十分に高解像度で品質が高く、演出面では非の打ち所がありません。
事業の内容や彼らの利用しようとしている技術についてもかなり詳しく、またわかりやすく紹介されており、とにかくコンテンツの量が多いため全部をもれなく見ていくだけでも結構な時間を吸われます……
CG 的には、バックグラウンドで同時に２つのシーンを描いておいて切り替えたり……
様々なポストエフェクト、流体的な表現を行う UV エフェクト、シーン遷移時のディストーションエフェクトなど、なかなかいい意味で狂ってますね。
ビジュアルのインパクトの強さだけでなく、しっかりと内容と中身のあるコンテンツに仕上がっていて、サイト全体の完成度は最近見たなかでは群を抜いてすごいです。
ここではあえてスクリーンショットを撮ってないですが、文章を読ませるタイプのページでも WebGL が背景部分でガンガンに動いていたりするので、めちゃくちゃかっこいい ＋ ただしバッテリーがもりもり減る、という感じの武闘派なウェブサイトとなっています。
文字として見えるもののほとんどが WebGL でレンダリングされたグラフィックスなので、日本人には（ブラウザの翻訳機能などが使えず）ちょっと読み解くのが大変なのですが、とは言えグラフィックス部分だけを見ても間違いなく一見の価値があります。
ぜひチェックしてみてください。
