
ワインをテーマにしたストーリーを高品質なインタラクティブコンテンツに仕上げた Symphony Of Vines
あまりにもガチ
今回ご紹介するのは Symphony Of Vines という WebGL コンテンツです。
こちらはどうやら Unseen Studio が技術デモとして公開しているものみたいなのですが、まるでゲーム作品のイントロムービーを見ているかのような、すごくリッチなビジュアルが特徴です。
インタラクティブ性があるからこその価値もしっかりと考えられており、圧倒されるような気持ちになります。
リンク:
The Symphony of Vines - Chateau Oublié
様々な工夫を凝らしたインタラクション
今回のサイトでは、コンテンツのほぼ全編が CG で描かれます。
いわゆる映像(動画)ではなし得ない、ユーザーの操作に対するインタラクティブな変化が特徴となっており、すべてのシーンでなにかしらの干渉が行えるようになっています。
基本的にはマウスカーソルの位置に応じた変化だけですが、それでももともとの CG としての美しさも相まって、技術者目線では圧倒してくるような凄みがありますね。
前半は、やや抽象的なシーンが多いです。
地形がカーソルの位置に応じて変化するような場面、光のラインが流れるように動くような場面など、それぞれに味付けも異なります。
いわゆる GPGPU 的なことを実装しないと実現できないタイプの表現が多くて本当に驚きますね……
もちろん各シーンはポストエフェクトも活用した画作りがされており、それが雰囲気の向上に一役買っています。
レンズディストーションのような効果や、強い光へレンズを向けた時に発生するゴーストのような効果など、物理的な現象に近いエフェクトが掛かることで本物感が一気に底上げされています。
BGM やナレーションの風合いもビジュアルに見事にマッチしていて、世界観としての完成度の高さが感じられます。
いわゆるクライアントのいる受託案件ではなく、自分たちの表現を見せるためのデモコンテンツなのだと思ってますが、それにここまで注力できるというのは本当にすごいですね……
今後、AI がどんどん進化して技術的に難しい表現も手軽にできるようになっていくのかな~ってなんとなく感じていますが、だとしてもこういったコンテンツを全部お任せで作ってもらうというのは現実的ではない気がします。
そのように考えると、こういうクオリティのなかで戦っていく覚悟が必要なのかなという気もしてきて、開発者としては複雑な気持ちになります。
いろんな意味で参考にできる点が多いコンテンツだと思います。
ぜひチェックしてみてください。