
秀逸な光の表現とオーソドックスな宇宙の表現がミックスされた ORBYTE のウェブサイト
見せ方のうまさが光る
今回ご紹介するのは、デザインスタジオ ORBYTE のウェブサイトです。
3D 表現として、オーソドックスな部分と一風変わった表現とが上手に組み合わされていて個人的にはすごく興味深く感じるウェブサイトですね。
効果音などもウェブサイトの雰囲気にすごくマッチしていて完成度が高いです。
リンク:
ORBYTE - Design & Development Studio
光が遮られることで逆に強調される
今回のサイトは宇宙が舞台で、地球が画面の中心にドンと置かれた構図からスタートします。
この画面の構成というか中央に丸い地球が置かれている状態って、ある意味ですごく王道的かつ直球な表現で、一般には避けられることもあると思うんですよね。
あえてそういった普遍的な王道路線を選択していることに、デザインスタジオとしての矜持みたいなものを感じます。

スクロール操作をしてやると、地球を画面の中心に据えたままカメラが大きく動いていきます。
はじめはそのシルエットがすべて明るく照らされていた地球も、見る角度が変わっていくにつれ、光の当たっている部分と陰になっている部分とがそれぞれ存在するような形で描かれます。
ここでは画面内右下あたりにステートメントのような感じでテキストが置かれていて、そちらに意識を向けるためにビジュアルを控えめな表現にしているのでしょうね。

さらにスクロールを続けていくと、カメラがどんどん動いていってやがて光源となる太陽と、地球の位置が視線の上で重なる瞬間がやってきます。
このなんともドラマチックな見せ方、カメラワークももちろんおもしろいですが、ここで見ることができる光が遮られるような WebGL の表現がすごく見事ですね。
3D 表現としてのストーリー性をすごくよく考えて作られていると感じました。

下層ページは一転、3D 表現などは排した構成で、そのあたりのメリハリもうまいなと思いました。
WebGL で 3D 表現すること自体は現代では珍しくもなんともなく、さらに言えば地球を使った宇宙が舞台のコンテンツってもう大量に事例があり、普通は避けようという心理が働くものになってしまっているのではと個人的には感じます。
そんななかでこれだけ個性的に、見た目にも面白いコンテンツをしっかりとしたデザイン性のある文脈も踏まえて実装できていることは驚くべきことなのではないかと思いました。
ぜひチェックしてみてください。