フィンランドで開催されたデモパーティ V0RTEX 2016 で第一位に輝いた WebGL 製のデモ作品 Koherent!
本格派の WebGL 製 Demo!
今回ご紹介するのは、Demoscene のイベントに出品された WebGL 製の Demo 作品です。
この作品が出品されたのは、フィンランドで開催された V0RTEX 2016 というデモパーティで、100 名の参加者を募って行われたものみたいですね。
Demo 部門以外にも、グラフィックスや音楽作品の部門もあったようですが、Demo 部門で見事に一位に輝いたのが今回ご紹介する Koherent です。優勝しただけあって、かなり本格的なデモ作品に仕上がっています。
ハイエンドなマシンで見たい一作
今回の作品は、一見するとまるで WebGL 作品ではないかのような、非常に美しいグラフィックスで各シーンが構成されています。
一貫してある程度の雰囲気の統一感はあるものの、見飽きてしまうような同じシーンはあまりなく、しっかりとした「個性」を持ちつつも見る人を飽きさせない、見事な構成になっていると思いました。
また、再生されるサウンドも、とてもいい感じですね。
こちらはなかなか静止画で伝えるのが難しいところではあるのですが、いくつかシーンをキャプチャしたものを掲載しておきます。
WebGL は実行に必要なデータをブラウザでページを開いてから取得するので、若干、待ち時間があります。
最初は何もページに表示されないのでちょっと心配になるかもしれませんが、焦らず待ちましょう。
また、実行時にストレス無く今回のデモを再生させるためには、そこそこ高いスペックが必要になると思います。間違っても、モバイル端末とかで見ないほうがいいでしょう。
一応、最初のページでデモの実行時にどのサイズの解像度でレンダリングするのかを選択できるようになっているので、実行環境に合わせて調整しましょう。
作品全体に共通しているのが、キューブなどのエッジの利いた幾何学オブジェクトの存在です。
シャープな印象のオブジェクトと共に、黒と、赤と、そして燃えるような光の演出のコントラストがとてもキレイです。
またポストエフェクトもかなり盛ってる感じなので、やはりスペックが低いとこの作品の本来の品質での閲覧は難しいと思いますね。
それでも、WebGL でこれだけの描画ができるということのお手本のような、様々なテクニックが盛り込まれており、カメラワークやシーンの転換なども含め、かなり参考にできるところが多いのではないでしょうか。
デモ部門で一位を獲得しただけあって、シーン構成やサウンドとの一体感など、本当に Demoscene らしい作風に仕上がっていますね。
Demoscene についてあまり詳しくない方が見ると、単にキレイな WebGL の映像だなあと思うに留まってしまう部分はあるかもしれませんが、それでも、これがブラウザ上で実行されていると思って見てみれば、それがいかに驚くべきことかが想像できると思います。
それほど、完成度の高い、見事な作品だと思います。
日本では、毎年 2 月頃に国内唯一のデモパーティとして TokyoDemoFest というイベントが開催されていますが、このタイミングで妙に刺激を受けました。
WebGL による表現も、少しずつですが、確実にレベルの高い作品の比率が上がってきている気がします。
今後もデモシーン界隈での WebGL 作品に注目していきたい、そんなふうに思わされた、見事なデモ作品になっています。
ぜひチェックしてみてください。