芸術と文化と人々、そして AI…… 教育を目的として作られた AI に関するコンテンツ Abstract Intelligence
日本語で読めたら嬉しかったオブ・ザ・イヤー
今回ご紹介するのは、クリエイティブ・エージェンシー Mallard & Claret が公開している教育用に制作されたコンテンツです。
AI がどんどん生活に入り込んできている現代において、文化や芸術といった観点からそれを考えてみよう、という趣旨の内容ですね。
WebGL はあくまでも演出の一部として用いられているだけで、実際にはこちらのサイトの場合はどちらかというと読ませるコンテンツといった感じになっています。
リンク:
歴史を振り返りつつ考える
今回のサイトは AI を取り巻く様々な状況、出来事などを振り返りつつ、ウェブサイトを見ている人たちになにか問いを投げかけるような、そんな感じの内容です。
クリエイティブコーディングなどの文脈、あるいは NFT などの文脈では、だいぶ前から熱心に議論されてきたような内容でもあるのかなと思いますが、芸術や文化が持つ価値や AI などをキーワードとして、いろんな話題が掲載されています。
サイト上の演出としてはカーソルの位置に現れるタイル状のエフェクトが、演出の1つの柱になっています。
常にカーソルの位置にモザイクっぽく模様が描かれるのですが、場面によっては、それが背景にある画像と連携する形で機能する場面もあります。
どことなく、デジタルなものを想像させるような演出ですよね。
AI もテクノロジーの産物ではあるわけで、それを連想させるような演出として、このようなインタラクションを実装しているのかもしれません。
サイト内には、結構文章として書かれているコンテンツも多く、ビジュアルだけでなく文章を読ませることで何かを感じてもらおうという意図が感じられます。
ここで語られているような AI などの話題って、たぶんテクノロジーに普段触れないような一般層の人たちは馴染みのない話だったりもするのかなと想像できます。
そういう意味でも、今回のサイトが教育を目的として作られているということが、非常にうまく機能しているように感じます。
今回のサイトのなかでは、AI に芸術の価値がわかるのかなんて指摘もあるけどそもそも人間がそれを AI に教えられるほど理解できていると言えるのか、みたいな少し皮肉めいた文脈を感じさせる場面なんかもあったりします。
こういう問題って、対岸の火事的な感じで遠巻きに眺めていることも別に悪いことではないと思いつつも、自分なりに深く考えてみるといろんな発見がありそうな、そういう系統の話のようにも感じます。
WebGL の実装としては比較的シンプルですが、非常に美しく丁寧に作り込まれた、おもしろいウェブサイトだと思います。
ぜひチェックしてみてください。