エレクトロとロックを組み合わせたサウンドが特徴的なイタリアのバンド Moods のウェブサイト
イタリアではかなり有名なバンドなのかな?
今回ご紹介するのは、とあるイタリアのロックバンドのウェブサイトです。
サイトを見ると、単にロックバンドというのではなく、Electronic Pump Rock と書かれているので、エレクトロの要素とロックの要素を合わせた音楽が、彼らのスタイルのようです。
事実、彼らのサイトは非常にサイバーな雰囲気で、サウンドだけでなくビジュアル面においても尖った表現を持ったグループなのかもしれません。
VTF を使った頂点シェーダ芸
背景の黒に浮かび上がるビビットなカラーリングがなんとも面白い今回のデモ。
一見するとサウンドビジュアライザ系のデモのように音声データも解析して利用している感じがしてしまいますが、どうやらそこまではやっていないみたいです。
ただ、カスタムシェーダを記述して頂点をダイレクトに動かしているみたいで、オリジナルシェーダを使うというストイックな感じがなんともいいですね。
シェーダのソースを見る感じでは、色の RGB 成分を全て足して、合計値が大きくなる場合ほど頂点が手前に移動するような感じにしているようです。
明るい色をしている部分ほど激しく浮きだして見えるというわけですね。
ちょっとだけ専門的な用語を使うと、VTF(頂点シェーダでのテクスチャフェッチ)を使って、動画データから RGB を抜き出して、頂点シェーダで直接頂点をゴリゴリ動かしているという感じですね。
ウェブサイトとしてのコンテンツも実は結構充実していて、画面の右上のところにあるバーガーメニューを開けば、彼らの楽曲作品を視聴することなんかもできちゃいます。
バンドメンバーの紹介なんかも結構ちゃんとした文章と画像が用意されていて、WebGL で驚かせて終わり、という単純なコンテンツではなく、しっかりウェブサイトとして必要な情報を取り揃えている感じです。
見た目はちょっと尖った印象を受けますが、こうして自分たちの楽曲をインターネットで気軽に視聴できるようにしているというのは、とても好感が持てますね。
シェーダのソースコードを見ると、もう少し工夫すればより表現力を高められそうなのになあと感じる部分もあります。
やはりこれから先、GLSL で事細かくシェーダの記述・制御が行えることは、ウェブの表現力の可能性を大きく広げるのかもしれないなと感じました。
同時に、割りとシンプルなシェーダであっても、見せ方ひとつで結構インパクトのある表現になるものだな、とも感じました。
自分が何を表現したいのか、そしてそのために最も優れた手段はなんなのか、いろいろ考えながらウェブサイトを作れるようになりたいなと思わされる、そんなコンテンツだった気がします。
かっこいいサイトなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。