カナダの国営機関によって作られたドキュメンタリー作品が FLASH 製から移植され WebVR 対応で再び登場!

doxas : 2017-03-20 13:50:08

FLASH の名作を WebVR 作品に移植

今回ご紹介するのは、かつて FLASH 製のコンテンツとして話題になったこともあるとあるドキュメンタリー作品の、移植作です。

Bear71 という今回ご紹介するコンテンツは、2012 年にオリジナルの FLASH 版が公開されていました。今回の作品はベースを WebGL で実装し直したことに加え、WebVR API にも対応したものとなっていてなかなかの力の入りようです。

コンテンツそのものは、捕獲されナンバリングされたとあるグリズリーの生涯を追うという内容で、テーマとしてもかなり重厚なものとなっています。

三歳のハイイログマ、その生涯

今回の作品の概要から簡単に説明すると、このドキュメンタリーは人間と自然との共存などをテーマにしたもの。

とある、捕獲された三歳のハイイログマが Bear71 と名付けられます。彼は森に返されることになるのですが、同時にその生涯を観察対象として生きていくことになります。

今回の作品のなかでは、そんな Bear71 の足取りはもちろんのこと、定点カメラなどに映った彼の姿や、人々との関わりについても語られます。

コンテンツのロードが完了した直後に表示されるタイトル画面が、上の画像のような感じ。最初は黒背景の、シンプルな外観からスタートします。

画面内をよく見ると、双眼鏡のようなものが浮かんでいる箇所があるかと思うのですが、コンテンツが進んでいくと、その他にもカメラの形をしたオブジェクトなどが画面上に現れてきます。

同時に背景が白ベースに切り替わり、Bear71 など、観察対象となっている動物たちの移動していく様子が映し出されます。

舞台はカナダですが、この地形の勾配などは、ほぼ現実の山林地帯と同じように再現されているものと思われます。

丸い点や、四角いオブジェクトなどを用いて地形が表現されているのですが、恐らく「丸い形」のものは自然由来のものを表していて、「四角い形」のものが人工物を表しているのだと思います。

たとえば、画面内をせわしなく動き回る黒いキューブがあるのですが、これは自動車を表しているのだと思います。キューブが連なったようなオブジェクトも画面内には出てくるので、これが列車を表しているのかなと思いますね。

事実、カメラのアイコンの部分などをクリックしてやると、道路などの人工的な建造物が表示される箇所もあります。

ここで紹介しているような 3D のビューは、WebVR モードでは全方位を見ることができるようになるのかなと思いますが、PC 等のブラウザで閲覧しているときは、マウス操作によって視線を動かすことができます。

また、CG ではなく動画が再生されるフェーズ等もあり、そこでは道路の高架下を、Bear71 が歩いている様子などがムービーとして閲覧できます。

Bear71 が歩き去った直後に、普通に地元の若者が同じ場所を歩いて行くような映像が映るのですが……カナダはこんなに人間と動物とが近いところで生活している場所があるんですね。

これにはちょっと驚きました。

ドキュメンタリーは全体で 20 分近い長時間にも及ぶ大作です。ナレーションがすべて英語なのですが、そんなに早口でもないので、リスニングはしやすいと思います。

このドキュメンタリーの制作は、カナダの国立機関で行われたものみたいですね。

それをウェブのインタラクティブなコンテンツとして配信しているというのが、すごいですよね。

オリジナル作品は FLASH だったわけですが、私はそのオリジナルを見たことがないので、ちょっと比較まではできませんでした。たぶん、オリジナルのほうがいろいろと凝った演出がされていたのではないかなと予想してますが、WebVR 版のほうも、20 分という短い時間のなかに、一頭のハイイログマの生涯が詰まっていると思うと感慨深いものがあります。

全編英語ベースなので、日本人だとなかなか細かいところまで把握するのが難しいコンテンツではありますね。でも、ところどころで流れるムービーや、クマやその他の生物たちの動き回る山林の様子を見ると、そのリアリティに思わずいろいろなことを考えさせられるコンテンツかなと思います。

ぜひチェックしてみてください。

リンク:

NFB/Interactive - Bear 71 VR

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