Curl Noise とワイヤーフレームを利用したアブストラクトな WebGL デモ Ernest

doxas : 2017-05-04 13:30:06

ピアノの旋律がどこか物悲しい

今回ご紹介するのは、スウェーデン在住のエンジニアの方のウェブサイトと、彼の最新作となるデモ作品。

実は以前にも、彼の作品は当サイトで何度か取り上げたことがあります。

どこか物悲しいような、派手さ一辺倒ではない表現が魅力的な作品が多いのですが、今回の作品もまた、どこか物悲しいような雰囲気が魅力の作品となっています。

Curl Noise やワイヤーフレームを利用したアブストラクトな一品です。

音に反応するノイズに崩壊するワイヤーフレーム

今作は音楽に合わせて CG が描かれる映像作品ですが、demoscene などとはちょっと違った雰囲気で、CG の技術や音楽のセンスというよりは、どちらかというと純然たる映像作品という感じの仕上がり。

シーンの冒頭はまず最初に Curl Noise を使った演出です。

この作品全体が、黒い背景の上にパーティクルやワイヤーフレームで描く比較的シンプルなシーンで構成されています。

最近の WebGL 界隈を見ていると、Curl Noise はそれほど珍しい表現ではなくなってきていますが、それでもやはり、白いパーティクルが流れるように動く様子は神秘的なものがあります。

今作の場合はかなりモノクロ感の強い表現になっているので、光の粒が飛び回っているというよりは、無機的な白い粒子がうごめいているような雰囲気になっています。

このパーティクルは BGM として流れているピアノの音に反応するようになっており、そこにわずかな有機性というか、得体の知れない意図や意志のようなものが感じられるような気がします。

ワイヤーフレームのシーンでは、ランダムな起伏のあるシート状のメッシュが出てきます。

これはどういう原理なのかあまり詳しく調べたりはしていないですが、ワイヤーフレームのラインがザラザラとした、粒子っぽい感じのマテリアルになっています。

点の集合という感じはあまりしないので、単にテクスチャなどで模様を投影しているのかも。

もしくはシェーダですかね。

ワイヤーフレームのシーンはもうひとつパターンがあって、そちらはソリッド感のあるラインです。崩壊していく球状のメッシュが不思議な世界観を演出しています。

以前、彼の作品を紹介したときには、もう少しポストエフェクトなどが使われていたような気がしますが、今回の作品はあえてなのかわかりませんが、そういった事後処理的なフォローはなく、そのままジオメトリを描画している感が強いです。

ただ逆にそれがどこか物悲しいような、不思議な雰囲気の演出に役立っているような気もしますね……

なんというか、3D に限らないですが表現ってのはいろいろなアプローチが無限にあって、本当に面白いですね。

派手に光るようなエフェクトを加えたパーティクルも美しいですが、今作のような、どちらかというとシンプルで素のままな、抽象的な表現もまたいいものです。

あまり技術的に目新しさなどを感じるわけではないのですが、そのセンスが、とても不思議な感慨を抱かせる作品だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

リンク:

Ernest

petit sapin – Just another son of a gun.

share

follow us in feedly

search

search

monthly

sponsor

social