スイスにおける過去 50 年間のヒットチャートを奥行きのある空間にランキングと形式で配置した WebGL デモ
スクロール操作と連動した気持ち良い動き
今回ご紹介するのは、hitparade.ch というサイトの特設ページで、スイスにおける過去 50 年間のランキングを、WebGL を使って三次元空間に立体的に配置したデモ作品です。
スイスでのランキングというと、なかなか日本人にはどういう感じになっているのか想像するのは難しいですが、なかには、耳にしたこともあるような洋楽もかなりの数見つかります。
スクロール操作と連動して動く WebGL コンテンツとしての心地よさみたいなものがあり、またビッグデータの可視化事例として見てみても、なかなか興味深い作品となっています。
1968 年からの時代の変遷を感じられる
今回のサイトは、過去 50 年という非常に長い期間のデータを参照できる、非常に興味深い事例だと思います。
ランキングはどうやら 15 位までを対象にして集計しているようですが、それでもなんと楽曲数は 10,393 曲にもなるようです。
これらのタイトルが全て同じ三次元空間内に置かれていると思うと、それだけの大量のデータを可視化するだけでも大変そうです。
それでも、動作はかなり軽快なので、実装にも工夫が凝らされていることがうかがえる出来栄えとなっています。
画面の右上のほうに i の文字をあしらったインフォメーションのアイコンがあるのですが、それを見ると、この星座のように配置されているパーティクルとラインが、そのままランキングの順位を表しているようですね。
過去のランクが高かった部分は、大きなパーティクルで表現されるようになっていて、ランクインしている間の軌跡が、そのまま星座のように見えている形のようです。
背景の色が暗い紫と明るい紫に左右で分かれているのですが、それにもちゃんと意味があるようで、色の明るい部分ほど、曲の内容も明るいものになっているみたいでほんとに面白いですね……
全米ランキングなどとは違い、こちらのランキングはスイスのものであることや、spotify などからもデータを引用していることなどもあって、ちょっと変わった形でデータが可視化されていたりする部分もあります。
たとえば、日本でもかなり有名なクリスマスソングである WHAM! の Last Christmas は、2016 年のあたりにも普通にランクインしていたりします。
世界的なニュースになったアーティストの楽曲や、季節柄多くの人が聴くような曲の場合、世代を超えてランクインすることもあるんですね……
なんかほんとに、こういった形で可視化されないとわからなかったであろいう様々な事実がたくさん込められているようで、感慨深いです。
同時に公開されている特設ページのほうには、さらに詳細な多数のデータや図が公開されています。
書かれている言語が英語ですらないので、翻訳機能のちからを借りないとなかなか読むことさえ難しいのですが、これだけたくさんのデータが集まると、やはり圧巻の凄みが感じられるように思いました。
WebGL の実装や技術の面から言えば、やはりこれだけ大量のデータをスムーズに表示できるのは素晴らしいです。
恐らく最初にある程度頂点はバッファに詰め込んでるんだろうとは思いますが、非常に滑らかなアニメーションがとても心地よく、一瞬再生される音楽に耳を傾けるのを邪魔することのない、優れたデザインになっていると思います。
スイスのランキングなので、なかなか心境としてはシンクロするのが難しい部分もあるのですが、非常によくできたコンテンツになっていますので、ぜひチェックしてみてください。
リンク:
50 Years Swiss Music Charts ※音が鳴ります