フランスの国鉄が仕掛けたユニークな防犯キャンペーンが VR 仕立てのホラー作品で本当にすごい!
国鉄公式のコンテンツとは思えないホラー風味
今回ご紹介するのは、なんとフランスの国鉄が提供している「VR 製のホラーコンテンツ」です。
国鉄というと……日本なら JR に相当するのかなと思いますが、こんな砕けた印象のコンテンツを国鉄が公式に提供しているというのがなんだかすごいです。
今回のサイトを初めて見たときは、なにかホラー映画かなにかのプロモーションかと思ったのですが、SNCF というのがフランスの国鉄を表す略語のようで、調べてみるとどうやら本当に国鉄の公式コンテンツみたいですね。
スマートフォン等を用いたモバイル VR にも対応しているようです。
部屋のなかの様々なアイテムをクリックしてみよう
今回のウェブサイトは形の上では VR コンテンツですが、PC で普通に WebGL コンテンツとして閲覧することももちろん可能です。
PC 版ではカーソルを普通に動かすことができるので、閲覧するだけならむしろ見やすいかもしれません。VR モードのような臨場感は得られないかもしれないですが、ホラー映画のような雰囲気は十分に感じられると思います。
先に書いておきますが、今回のサイトは結構見ている人を驚かすような、突発的な演出などもあるので、そういうのが苦手な人は気をつけてください。急に大きな音が出たりもしますので、そのあたりも注意ですね。
この上の画像を見るとわかるとおりで、かなり CG としては本格的な、質感の高いシーンが描画されます。
モバイル端末などで見ている場合は多少モデルやテクスチャが変化するのかもしれませんが、少なくとも PC で見ている分にはかなり品質の高いシーンだと感じます。
陰影や、模様、光の加減なども見事に表現できていますね。
シーンのなかには、いくつかのオブジェクトが置かれていますが、そのなかにはクリッカブルなオブジェクトもあり、それらに対してクリック操作を行うと、動画が再生されたりシーンに変化が表れたりします。
たとえば、下の画像は全天球ムービーが再生されているところをキャプチャしたものですが、CG だけでなく、動画による演出も結構多く使われています。
動画再生中も、全天球動画なので普通に視線を動かすことができます。
今回のサイトは、そもそも列車事故を予防するための一種のキャンペーンのようなもの……だと思います。フランスでは、列車事故が社会問題になっているのでしょうか? ちょっとそのあたりの背景についてはわからないのですが、国有鉄道が自らこのようなコンテンツを提供し、積極的に若者向けに鉄道事故を防ぐ取り組みを行っているというのは素晴らしいと思います。
また、コンテンツの内容も堅苦しい「事故を防ごう!」というようなものではなく、ホラー仕立てのショートストーリーが展開される VR コンテンツということで、かなり敷居の低い、若者の興味を惹きそうな見事なコンテンツ提供方法だと思います。
にしても……
ほんとにこれ結構よく出来ていて、ホラー系苦手な人は VR モードでは閲覧しないほうがいいかもしれません(笑)
フランスは、個人的にはハイレベルな WebGL 作品がもりもり公開されている WebGL 表現の最先端の国というイメージがあります。
しかし、単に技術がどうこうという話以前に、国鉄がこれを提供してしまうという風土や国民性の違いもあるのかもしれないなと今回のサイトを見ていて思いました。
非常にハイレベルな CG に、バッチリとタイミングがリンクしたビジュアルとサウンドの演出効果が見事です。
ぜひチェックしてみてください。