あなたの秘密を聞かせて? 鏡のような表現が面白い、映画 A Simple Favor のサイトは「秘密」でいっぱい
どこかシリアスな雰囲気
今回ご紹介するのは、A Simple Favor という映画に関連したウェブサイトです。
この映画、原作は日本でも翻訳版が発売されている小説作品みたいなのですが、どうやらミステリーやサスペンスに分類されるタイプの映画みたいです。
ティザーサイトや今回のサイトには、共通して鏡の割れたような、あるいはヒビが入ってしまったガラスのような演出が使われており、いかにもシリアスな雰囲気に仕上がっています。
秘密を投稿するような機能も
今回のサイトは、映画作品の内容になぞらえる形で、世の中のひとたちが抱えている「秘密」をテーマにしています。
サイト上では、一定時間が経過するとページが切り替わるような仕組みになっていて、数々の秘密が順番に表示されては流れていきます。
まあなんというか、やっぱり秘密の内容としては男女関係に関するものが多いのかな……あとは、実は自分はもっと自由に羽ばたきたいんだ! みたいないかにもアメリカを感じさせるようなものもありますね。
上の画像を見るとわかるかと思いますが、画面内は大きな写真の画像をバックにしているものの、画面全体が、まるでガラスに大きなヒビが入ったかのように分断されてしまっています。
また、ちょっと静止画ではわかりにくいと思うのですが、三角形の割れた鏡の破片のようなオブジェクトも漂っています。
マウスカーソルの位置に応じてインタラクティブに動くようになっているので、実際にサイトで見てみると静止画とはちょっと印象が違うんじゃないかなと思います。
割れた鏡の破片のようなオブジェクトには、背景の画像が映り込むような感じになっており、一種の環境マッピング的な外観になっています。
またこれはよく見ないと気が付かないかもしれないですが、ブラーの掛かる領域が常に変化していて、同じ画像を見ているだけなのに、フォーカスの合う深度が常に変化しているような、映像作品的な演出になっていますね。
これはちょっとおもしろい表現だと思いました。実際に被写界深度のような処理をしているわけではないのに、カメラの絞りを動かしているような、そんな感じに見えて不思議です。
下の画像はシーン遷移の瞬間をキャプチャしたものなのですが、ふたつのシーンがスルッと切り替わる、小気味よいシーン遷移で、こちらもなかなか良くできています。
個人的には、上記で触れた「疑似的被写界深度風ブラー処理」がかなり面白いなと思いました。
アイデアがすごいですね。
平面的な画像(写真)を使っているだけなのに、ガラスが割れたようなシーン全体の構成と、時間の経過によって変化するブラーの掛かり具合で、なんとも言えない映像風の演出になっています。
実際はただの静止画に過ぎないのに、それが映像(動画)であるかのように感じられるというのは、非常に興味深い現象でした。
なかなかエグい秘密がどんどん表示される刺激的なサイトです。
気になる方はぜひチェックしてみてください。