その圧倒的迫力を堪能しよう! SBS が提供するインタラクティブ・グラフィックス・アンソロジー The Boat がすごい!
とんでもないボリュームと迫力
今回ご紹介するのは、オーストラリアの公共放送局 SBS が提供しているコンテンツです。
こちらは Matt Huynh さんという方が制作したコミック風の作品を、ウェブでインタラクティブに体験できるようにしたものみたいですね。原作のほうが様々なアワードを受賞している作品のようなので、既に作品自体を知っている、という人もいらっしゃるかもしれません。
今回のサイトでは、WebGL を駆使してまさに「インタラクティブ・グラフィックス・アンソロジー」と呼ぶにふさわしいとんでもない品質に仕上がっています。
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サウンドとグラフィックスで心に迫る作品
この作品では、ベトナム人の難民が直面した出来事をテーマにしているようです。全体的に英語ですのでちょっと読み解くのが難しいのですが、絵や写真を使って物語が伝わってきますのでおおよそのストーリーは英語がわからなくても把握できると思います。
そしてボリュームがものすごい量になっており、恐らくですが全編を閲覧しようと思ったら20~30分くらい掛かるんじゃないかな……
しかし、単なる静止画で見せるサイトでもなく、また絵本でもなく、とにかくシーンがぐいぐい動きますので、まったく新しい体験ができる見事なコンテンツになっています。
この上の画像は冒頭のシーンですが、実際にはシーンは静止画ではなく荒れ狂う嵐の海が、あるいは降り注ぐ豪雨が、とにかくあらゆるオブジェクトが迫力満点に動きまくります。
個人的には、音声を ON にして閲覧することを強くおすすめしますね……
迫力が全然違ってくると思います。
サイトの構成的には、下に向かってひたすらスクロールしながら読み進めていく方式になっており、スクロール操作してやるとシームレスにシーンの状態が変化していきます。
今回のサイトでは、この上のキャプチャにあるように、イラストだけでなく、背景や文字もグワングワン動いてシーンを演出してきます。
なんというか、普通のウェブサイトの枠を超えてるというか、ひとつのアート作品、あるいはドキュメンタリーとして見せるために作っている感じがします。
音と映像の一体感も含めて、本当にとてもよくできたドキュメンタリー作品を見ているような気持ちになってきます。
サイト内は基本的にモノクロの場面が中心なのですが、ときと場合によってはカラーでシーンになんらかのオブジェクトが描かれる場面もあります。
さらに、画面の左右に向かって伸びる矢印が画面上に出てくる場面では、その矢印の部分をクリックすることでシーンが横に水平に移動することもあります。
通常は縦にどんどん読み進めていく感じなのですが、ときどき脇道のような感じで詳細コンテンツが横方向に展開されている感じですね……
本当にボリューム(物量)が凄くて、また実際の映像や写真も出てくるのでリアリティと迫力に関しても圧倒的で、なかなかこういったコンテンツをウェブで目にするというのは新鮮な体験でした。
もちろん、こういった普通のウェブサイトとは全く異なるコンセプトのウェブコンテンツってこれまでにもあったと思いますし、目新しいというわけではないのですが……
とにかくビジュアルとしての迫力や、その練り込まれた演出に、圧倒されますね……
本当に素晴らしい出来栄えだと思いました。
肝心の作品の内容は、難民に関するものでいろいろ人により感じ方は様々だと思います。少なくとも、グラフィックスやビジュアルという面では、一見の価値があります。
ぜひチェックしてみてください。