まるで時間そのものが静かに流れているかのように……瀧本幹也さんの写真展 AFTERIMAGE のウェブサイト
ぜひ音楽も一緒に楽しみたい
今回ご紹介するのは写真家・瀧本幹也さんの写真展 AFTERIMAGE のウェブサイトです。
瀧本幹也さんは写真家であり、またご自身で映画の撮影を務めたり撮影監督として活躍したり、写真や映像に関するいろいろな実績を持った方みたいです。
今回のサイトはそんな瀧本さんの写真展のスペシャルサイトで、背景部分に WebGL が使われています。
一緒に使われている音楽は土持悠孝さんの手によるものと記載があるのですが、この音楽の雰囲気も含めて質感に優れたウェブサイトとなっています。
リンク:
AFTERIMAGE | MIKIYA TAKIMOTO PHOTOGRAPH OFFICE - 瀧本幹也
ビジュアルと音楽の親和性の重要さがわかる
今回のサイトはウェブサイトといってもどちらかというとランディングページに近く、上から下にスクロールしてコンテンツを閲覧していく単体ページのウェブサイトです。
コンテンツというか文章などはあまり多くないのですが、写真展についての各種案内はもちろん、瀧本さんご自身の寄稿されたテキストなどを見ることができます。
とは言え、今回のサイトの場合はまず最初のイントロ演出がなんといっても見どころです。
徐々に浮かび上がってくるような演出は幻想的ですらあります。
背景は、これはなんだろうな……
なにか風景写真か、もしくは抽象画とかにあるような植物かなにかを撮影したものなのかな…… ちょっと詳細はわからないですが、ちょっとぼやけたような印象の写真がベースになっています。
その背景の上をノイズを使って作った濃淡のあるグラデーションが動いていきます。
言葉で説明するのがとても難しい質感なんですが、どこか流体を思わせるような不思議な感触です。
途中、名古屋のホテルの紹介などが出てくるのですが、写真展が行われる場所がまさしくこの名古屋のホテル内にあるギャラリースペースなんだそうですね。
実際に宿泊することができる部屋の一部には、瀧本さんの作品が置かれている部屋もあるみたいで、面白い取り組みだなと思いました。
今回のサイトでは氏の手掛けた写真作品などは(背景は別として)出てこないのですが、おしゃれなホテルで写真を堪能しながらゆっくりすごくことができるっていうのは想像してみただけでも体験としてすごく良さそうですよね……
今回のサイトではコンテンツそのものがかなり絞り込まれていて、シンプルで、いい意味で簡素な内容になっています。
背景のグラフィックスと、静かな雰囲気の BGM、そしてフォントやイラストの生み出すウェブサイトとしての世界観など、ウェブサイトを構成するすべての要素がきれいにピッタリとハマったような、そんな印象を受けます。
文字が読めなくなってしまうほど低コントラストではなく、しかしコントラストが低いことで生まれる独特な印象をうまく体現している、いろんな意味で絶妙なバランス感覚によって構成されたサイトだと思います。
ぜひチェックしてみてください。