世界で最も有名な AI と言っても過言ではない? IBM の Watson がテーマになったスペシャルサイトが面白い
アブストラクトな世界観
今回ご紹介するのは、IBM が誇る AI、Watson のスペシャルサイトです。
Watson はクイズ番組の回答者としてテレビ出演するなどしてアメリカで一気に知名度を獲得しました。まるで人間のように質疑応答などができるシステムということで話題になった感じですね。
Watson は日本でも主にビジネスユースで提供されているようですが、今回のサイトは残念ながら日本語版はなさそうです。
Active theory が実装しているとのことで、いつものようにかなり完成度の高いサイトとなっています。
リンク:
IBM Watson: The Harmonic State
抽象的な演出は Active theory の十八番になりつつある
彼らが望んでそうしているわけではないでしょうが、今回のサイトも最近の Active theory の実装例に多く見られるような、どこかアブストラクトな雰囲気の実装となっています。
チューブ状のうごめきながら光るオブジェクトが出てきたり、マウスカーソルを使ってインタラクティブに干渉可能なパーティクルが出てきたり……
現実世界には存在しないオブジェクトたちを描き出すビジュアルが、どこか近未来的な雰囲気を演出していてとてもかっこよく仕上がっています。
トップページ部分だけでも見ているだけで本当に楽しいです。(WebGL 実装者目線の感想で恐縮ですが……)
モーションブラーのような効果が付与される場面があったり、光源の位置が常に変化するようになっていたり、いろいろな仕込みもされていてじっくり観察すると様々な発見がありますね。
また、トップページに置かれている「Select your Story」と書かれたボタンをクリックすると、3つの選択肢が現れます。
この3つの選択肢はカード状になっており、画面上に横に並べて表示されるのですが、それぞれのカードにカーソルをホバーしてやるとカードの領域にだけ背景が現れ、クリックするとそのままその背景の中にカメラが入り込んでいくような演出を見ることができます。
言葉で書くとちょっとわかりにくいですが、選択したカードの中の世界に飛び込んでいくような、そんな演出がなされている感じですね。
カードの中の世界は、それぞれのカードごとに違った雰囲気となっていて、それぞれにちょっとしたミニゲームのようなユーザー体験型のコンテンツが用意されています。
Watson が膨大な量のデータをどのように収集して整理し、調整していくのか、その様子をゲーム風のコンテンツで表しているみたいです。
内容自体は全然難しくないのですが、そこまでゲーム性が高いわけでもないのでゲームを楽しむつもりで臨んでしまうとちょっと肩透かしを食らったような気持ちになるかもしれません。
ちなみに、今回のサイトでは CG 的に負荷の高い処理がいろいろ使われていますし、加算合成バリバリでカラーブレンディングの負荷も高く、かなりマシンスペックを要求されるコンテンツとなっています。
流体っぽいエフェクトも掛かっていますし、リアルタイムな WebGL の実装としてはかなりハイエンドな実装と言えます。その分、美しく荘厳な雰囲気は本当に見事なんですけどね。
CG としての美しさやアブストラクトな雰囲気作りの参考としてとても有用なサイトになっていると思いますが、こういうサイトに出会ったときは「PC 版はちょっと重いけど、モバイル版ではどういう実装になっているのかな?」という疑問を持ったり、実際にそれを試して見てみるなんてことも、やってみるといいかもしれません。
また違った発見があって、参考にできると思います。
ぜひチェックしてみてください。