ハイレベルな良作入り乱れる自動車業界プロモーションサイト! 今度はフォードがやらかした!
群雄割拠の自動車メーカーサイト
今回ご紹介するのは、自動車メーカー、フォードのサイトです。
自動車メーカー、特に海外のメーカーのウェブにおけるプロモーションでは WebGL が非常に頻繁に利用されています。私が記憶しているだけでも、ポルシェ、BMW、プジョー、日産やマツダなど、本当に多くのメーカーが、かなり気合いの入ったデモサイトを公開しています。
フォードは、以前にもマスタングのデモサイトを公開していましたが、今回はちょっとそのときとは違う、とてもエンターテイメント性の高いサイトになっています。
アナログ風のテクスチャと 3D 表現の融合
今回のサイトは、全体的に利用されているテクスチャがアナログ風なものになっています。
油絵風と言ったらいいのでしょうか。単純にリアリティを追求した 3D 表現で描かれることの多い自動車ですが、今回のような少しアナログな風合いも、これはこれでアリだなと感じさせてくれる見事な仕上がりです。
今回のデモの素晴らしいところは、その組み合わせの手の込みようだと個人的には思います。
一見してアナログ風なテクスチャを使っていることは勿論ですが、さり気なくポストエフェクトが加えてあったり、WebGL らしくインタラクションにこだわったりといったところが見受けられ、ただ物珍しいレンダリングしているだけではないぞ! と思わず実装した人の声が聞こえてきそうです。
ライトブルームの光の表現など、不思議とシーンに見事にマッチしています。
デモの最中は、視点が様々なところからのものに絶えず切り替わりながら、海沿いの一本道を車が駆け抜けていく様子を映し出します。
途中、海から打ち上げられてくる波なども登場するのですが、こちらはあえてビルボード、つまり一枚のポリゴンに絵が描かれたような、ちょっと絵本のような感じさえする波として描画されます。
しかし、小憎らしい演出が加えられており、この波が車に掛かってしまった直後、なんとフロントガラスが水飛沫で濡れてしまった様子をポストエフェクトで画面全体を歪ませることで表現しています。
うーん、すごい!
水が掛かった直後の風景は見事に歪んでいますね!
水飛沫にもめげず、一本道をさっそうと駆け抜けていくフォード。
その先には、なんとこの世のものとは思えない不思議な来訪者が待っています。
視点が第三者目線から主観での目線まで様々あり、ダイナミックな雰囲気がとてもよく表現できていると思います。すごくエンターテイメント性の高い演出だなと思いました。
全体的に、静止画ではその素晴らしさを伝えるのが難しい、とても動きのある演出が見事なサイトです。
自動車業界では、誰かが一度 WebGL での表現をやり始めたことをきっかけにして、負けじと競い合うように、こういったサイトが作られ続けているのかもしれません。
われわれユーザーや閲覧者という立場からすると、製品の中身もモチロン気になりますが、こういった面白いサイトが増えていってくれることは、けして悪くないことなのではないかなと思います。
日本にもどんどんこういった海外の影響が波及してきてくれたらと思います。反面、あまりにゴッツいサイトばかりでも、WebGL が「よくわからんが重いなにか」になってしまうかもしれない部分もあり、難しいですが……。
兎角、今回のサイトは多少荒削りなレンダリングですが、非常に楽しいサイトになっています。ぜひチェックしてみてください。