超ハイレベルな作品が入り乱れた Tokyo Demo Fest 2016! 大興奮の2日間をレポート!

doxas : 2016-02-23 13:34:50

最高峰の 3DCG やアート・ミュージック作品たち!

2016 年 2 月、20 日と 21 日の 2 日間に行われた TokyoDemoFest 2016 は、年に一度の、日本で唯一のデモパーティ。

そんな一年に一度だけの特別なデモシーンのお祭りに参加してきました。昨年に引き続きの二度目の参加でしたが、今年は昨年と比較して圧倒的にレベルが上がっていました。

GLSL を駆使した GLSL だけで表現するコンポや、楽曲だけのコンポであるミュージックコンポ、そしてデモ作品がシノギを削るデモコンポに、さらには数々の有益なセミナー……

とにかく見どころ満載、大興奮の 2 日間でした。

会場が広くなりモニターも巨大化して大迫力に!

今年は会場を 3331 Arts Chiyoda に変更し、中学校の体育館だったところで TDF が開催されました。

中学校の体育館なので、当然ながらステージの上に投影される映像が超大迫力の大画面になり、これまで以上にデモコンポなどの作品が楽しめる環境になっていました。

本場の欧州のデモパーティでも、こういった巨大なスクリーンで作品を閲覧するスタイルが一般的で、より本場に近い環境で開催されるようになったという感じでしょうか。

体育館のなかには、特別に区切られたスペースも用意されており、そこでは数々の有用なセミナーが開催されました。

以下の画像は、@Zavie さんが、世界最大のデモパーティ Revision2015 で講演したものの日本語解説セミナーの様子です。

その他にも、エレクトロミュージックを製作するためのセミナーや、世界レベルで有名な著名な講師陣を招いての本格的なセミナーが開催されました。

Solid Angle の創業者である Marcos Fajardo さんの講演では、話のなかに登場するポリゴンの単位がもうおかしくて、○○ 億ポリゴンを描いてます、みたいな話が普通に出てきて、とんでもない世界だなと思いました。

途中、映画のシーンがどのような 3DCG で構成されているかなど、動画も交えながら解説があり、最終的にはなんと 5 兆ポリゴン でこのシーンはレンダリングしてます、なんて話も……

最新の映画などで利用される 3DCG の世界は、我々一般人には想像もつかないほど進化しているのだなと感じました。また、彼の話のなかで印象的だったのは、25 年以上前にとある 3DCG を見て感激し、自分もいつかそういう作品やそれを生み出せるツールを作りたいんだという思いでずっとやり続けてきた、その結果今があるんだという話。なにごとも、やっぱりやり続けることって大切なんだなって思いました。

その他にも、ASD(Andromeda Software Development)のコーダーである navis 氏や、Voxatron の開発者である Joseph White 氏など、とにかく講師陣がとても豪華で、普通は日本では聞くことができないような、とても素晴らしい講演ばかりでした。

みんなで持ち寄る楽しいパーティ!

デモパーティは、パーティの名前からもわかるとおり、堅苦しいイベントではなくみんなで楽しむというのがコンセプト。

今回は会場に食べ物や飲み物の持ち込みが可能だったこともあって、参加者の有志による差し入れがたくさんありました。

運営からは、デモコンポに今でも利用されている銘機 AMIGA のロゴなどをあしらったチョコレートが配布されたり、あるいはオリジナル T シャツの販売がされていたりと、デモに作品を出す人もそうでない人も、誰でも楽しめるような環境がそろっていましたね。

日本人も、あるいは外国人も関係なく、みんなで技術共有をしたり雑談したり、とにかく気軽に楽しくやろうぜ! という雰囲気があるのですね。

デモシーンというと、その作品のレベルの高さなどから、厳粛なプロの集まるコミュニティだと思われてしまいがちですが実際は逆です。もちろんレベルの高い人達が多いコミュニティであることは確かですが、彼らの多くはむしろフレンドリーで会場のそこかしこで気軽に彼らと話をすることができます。

今年はなんとあの three.js の作者 mr.doob が 2 日間会場に来てました。私もちゃっかり写真撮らせてもらっちゃいました(笑)

こういった普段は会うことのできない人たちとの出会いも、デモパーティの魅力のひとつです。

Mr.doob かっこ良すぎ! ありがとうございます!!!

超ハイレベルな作品が入り乱れた GLSL コンポ!

コンポとは、簡単に言えば競技プログラミングのように各自が作品を提出し、それを見ている人たちで投票し、ランキングを作るものです。

TDF では、グラフィックスコンポ、ミュージックコンポ、ワイルドコンポ、GLSL コンポ、そしてデモコンポの各コンポが開催されました。

グラフィックスやミュージックなどのコンポでは、デモ作品ではなく画像や音楽の作品を公開し、みんなでそれを楽しみます。ワイルドは、これらに属していないちょっと変化球的な作品が出品されるコンポなのですが、今年は Excel VBA でデモを作っている作品などがあり、会場を湧かせました。

GLSL コンポでは、GLSL Sandbox を使った GLSL 作品がシノギを削ります。今年の GLSL コンポはレベル上がり過ぎてましたね。どの作品も非常に素晴らしいものばかりで、個人的には若い人たちがすさまじい作品をバシバシ出してきていたのが印象的でした。

もう私では彼らに勝てませんね(笑)

上の画像、いずれも GLSL だけで描き出されたグラフィックスです。すごいですね。

GLSL コンポの優勝作品(ちょっと画像がなくて恐縮なんですが)は、gaziya さんが出品した、ドラゴンを模したもの。これもすごかったなあ。

レイマーチングではフラクタルや幾何学模様を描くことが多いですが、これは単に、そういうもののほうが表現しやすいからでもあります。gaziya さんは、どうしてもレイマーチングで有機的なオブジェクトを描きたいと常々思っていたそうで、ドラゴンをレイマーチングでレンダリングし、その作品で優勝出来たことが本当にうれしかったみたいです。

シェーダのコードがごっつくなってくると Chrome が落ちまくって大変だなんて実装苦労話も、会場で gaziya さんから直接お聞きすることができました。とても、有意義な出会いができましたね。

こういった裏話的な話や、単純に技術的な相互共有も普通に行われていて、本当に素晴らしいイベントだと思います。

デモコンポでは WebGL 作品も!

今年のデモコンポは、GLSL コンポ同様とてもレベル高い感じでした。

なかでも、デモコンポの第二位という成績を収めた @FMS_Cat くんの [ type ] という作品は、WebGL を利用した作品であると同時に、レイマーチングで文字をレンダリングするなど、とんでもない作品になっています。

また、あの mr.doob もマントルをテーマにした作品を出品。こちらもかっこよかったですね。

私は今年も海をテーマにした作品を出しました。

[ type ] @FMS_Cat

[ Type ] :: pouët.net

Broken Mantra @mrdoob

Broken Mantra by mr.doob :: pouët.net

The Birth of... @h_doxas

The Birth of... :: pouët.net

今年のデモコンポでもやはり新たな伝説が刻まれた

デモコンポは、デモパーティの言わばメインイベントなのですが、それだけに、コンポのあいだは最高の盛り上がりを見せます。

特に、今回の優勝作品である 2nd stage BOSS が上映されている間は、会場にいた全員が度肝を抜かれました。

この作品はいわゆる 4k intro と呼ばれる作品で、実行ファイル(exe ファイル)ひとつを実行すると、音と映像がフルスクリーンで流れ始めます。

もう一度言います。

音と、映像と、全て込みで 4KB しかない んです!

意味がわからんすね!!!!!

よっしんさんは、もともとシューティングゲームのタイトルでとても有名な方なので、知っている方も多いかもしれません。

昨年に引き続き連覇を達成した、シューティングゲームを思わせるよっしんさんの 4k 作品。

もう何をどうしたらこうなるのかわかりません。

2nd stage BOSS @yosshin4004

2nd stage BOSS by 0x4015 :: pouët.net

砂漠を悠然と飛ぶ自機もかっこいいデザイン!

突如砂漠の中から迷宮のようなステージが!!

迷宮ステージのボスが登場し自機を狙う!!!

レーザービームで後方から狙い撃ちされてしまう自機、果たしてどうなる!?

まさに、世界最高峰のレベルを誇る見事なデモ作品だと思います。

みなさんもぜひ、動画などでご覧になってみてください。

大盛り上がりの DJ・VJ イベント!

TDF の醍醐味でもある、DJ・VJ イベントが今年もありました。

大迫力のスクリーンに映し出されるシェーダアートとクールなサウンドが、会場を湧かせます。

昨年の DJ・VJ イベントでは、バックスクリーンがトラブルで落ちてしまうなんて一幕もあったのですが、今年は最後までハイテンションで完走!

もうすごいハイテンションで、とても楽しい時間を過ごすことができました。

そして、イベントの最後の最後に行われた表彰式では、オリジナルトロフィーの授与や、上位入賞者の記念撮影なんかも行われてました。

また、今年は 3D プリンタで出力したストラップ風の参加賞なんかもあって、大盤振る舞いという感じでした。

ありがとう TokyoDemoFest!!!

TDF の全てを、ここで完全に網羅することは難しいです。

それほど内容が濃く、また内容が多い、素晴らしいイベントでした。

デモシーンの作品はどれもハイレベルで、かといってビギナーや初参加者を置いてけぼりにするような、無骨な雰囲気はどこにもありません。3DCG やアートに興味があったら、ぜひ来年の TDF に参加を検討してみてはいかがでしょうか。

たくさんの素晴らしい出会いと、驚きの作品と、感動に出会うことができるイベントだと思います。

ありがとう TDF!!!

リンク:

Tokyo Demo Fest / 2016.02.20-21 / 3331 Arts Chiyoda

TokyoDemoFest 2016 :: pouët.net

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