洗脳解除をテーマにした本格ドキュメンタリー WebGL デモ Deprogrammed がすごい
人を選ぶコンテンツ
今回ご紹介するのは、洗脳解除というちょっと重いテーマを主題にしたコンテンツです。
一種のドキュメンタリー風のタッチで、映像と、音、そして文章で語られていく物語は、とても重厚な迫力に満ちています。
人を選ぶコンテンツだと思いますので万人にはお勧めできないのですが、全編英語なので、幸か不幸か日本人にはちょっと理解するのが難しいかもしれません。
ですが、なんとなくでも英語がわかるなら、実行されているデモを見ているだけでもかなり雰囲気をつかむことができると思います。
かなり大規模な長編デモコンテンツ
今回のデモはかなりの長編コンテンツになっていて、ウェブサイトを開いた直後に表示されるアナウンスによれば、5 分ほど時間が掛かるとのこと。
しかし、実際に閲覧してみるとわかるのですが、とても 5 分じゃ足りないくらい、いろいろなものが詰め込まれたサイトになっています。実際私はサイト全体を見ていっただけで小一時間掛かりました……
デモとして実行されるシーンは多彩で、全体的にシンプルな構成のモデルが中心ながら、雰囲気をしっかりと作りこんであります。
冒頭のシーンからして、もう雰囲気抜群という感じです。
暗い、まるで牢獄のような廊下を歩いている視点から始まるこのコンテンツ。基本的には一方通行で、選択を迫られるようなシーンはありません。
マウスカーソルの位置やキーボードの入力によってある程度インタラクションのあるシーンとして描画結果こそ変化しますが、それらのアクションによって到達するエンディングが分岐したりはしません。
一種のインタラクションムービーみたいな感じでしょうか。
途中からは、キーの入力を使って進んでいきます。
といっても、カーソルの上キーか、W のキーを使うだけで、様々な方向に徘徊したりできるわけではなく、ひたすら前に向かって歩いて行く感じになります。
主人公の影だけが地面に映っており、ときおり、遠くに人影が見えたり、廃墟が見えたり、途中からは木が生えてきたりと、次々にシーンが切り替わっていく仕組みです。
絶えず、英語で音声が流れているのですが……私のスキルではほとんど解読できなかったです……無念。ただ、かなりゆっくり聞き取りやすい感じでしゃべってくれている感じはしました。
後半になると、木の姿が消えて、今度は巨大な岩に挟まれたようなシーンが舞台に。
徐々に徐々にシーン全体の雰囲気が逼迫してくるように感じるのは、やはり映像と音の雰囲気作りがうまいからなのでしょうね。このあたりは、本当にすごいなと感じました。
レンダリングに注目して見てみると、ポストエフェクトやパーティクルなどを使った three.js の作品によく見受けられるような演出がほとんどです。
それでも、状況に応じた演出のチョイスが見事で、見ている人を飽きさせないような工夫を感じます。
さて上記では描画を中心に紹介しましたが、このサイトの本当にすごいところはテキストベースの情報量の多さです。
デモを実行している最中のメニューからは、洗脳から開放され今は当時とはまったく違った形で生きている、とある三人の人物の手記が読めます。
その他にも、カルトや洗脳というテーマで歴史を振り返るようなタイムラインが用意されていたり、かなり本格的かつ大規模な資料になっています。
最初にも書いたように、テーマがテーマだけに誰にでもおすすめできるコンテンツというわけではありませんが、そのビジュアルと膨大な資料は、いずれも一見の価値があります。
気になる方は、ぜひチェックしてみてください。