その名のとおりまさに GOLD! あまり見たことのない不思議な被写界深度表現が面白い!
非常に美しい黄金色
今回ご紹介するのは、非常に興味深い被写界深度っぽい表現が面白い WebGL のデモ作品。
いわゆる実験的な表現を行なった作品のひとつなのかなと思いますが、私には到底思いつかないような、不思議な技法で見事な立体感を表現しています。
ただ、コードの隅々までを解析したというわけではないので、あくまでも見た目からの予想という形です。とは言え、こんな方法でボケを表現するというのはとても驚きでした。
たくさんのラインを束ねてそれからどうする?
今回の作品は、GOLD というタイトルが付けられていることからも想像できるとおりで、見事な黄金色のビジュアルが非常に美しい作品となっています。
デモがスタートした直後は、球体の周りになにやら沢山のラインや、点の集合のようなものがまとわりついたような見た目をしています。
これが時間の経過と共に、まるで糸がほどけていくかのように広がっていくのですが、本当に色がキレイな作品で、思わず見とれてしまいます。
上の画像は、ほどけていくその様子を早い段階でキャプチャしたものです。
シーンの中央には、地球を模したような球体が置かれていて、その周辺にあるラインの束が、徐々に外側に向かって広がっていきます。
ここで注目したいのが、球体から遠く離れた位置にあるラインです。
まるで被写界深度の効果のように、うっすらとボケたような見た目になるのですが、ポストエフェクトのブルーム効果も相まって、非常に美しいビジュアルに仕上がっています。
キャプチャ画像だとどうしても小さいのでわかりにくいかなと思いますが、それでも、画面の端のほうにあるラインがぼやけて滲んだように見えているのがわかると思います。
そのぼかすための手法がなんとも面白くて、これはたぶんなんですが、何本ものラインを束ねて表現しているのではないかなと思います。
要は、画面の中央にあるときのラインは、それぞれが非常に近い距離で束ねられているので、あたかも一本のラインのように見えており、これが画面の端に近づくほどに、徐々にほどけて広がっていくわけですね。
ラインの一本一本はアルファが低めになっていて、密集していない状態だと、半透明のボヤけたラインのように見えるという寸法です。
これほんとに面白いですね。それっぽく見えるところがまた不思議です。
現実世界における「ボケ」と「ぼやける」というのは、厳密には違う現象です。カメラなどで距離感を間違えたときに起こるのがいわゆる「ボケ」のほうで、被写界深度の場合はこの「ボケ」を再現してやる必要があります。
ボケはブラーとは違うので、ガウシアンブラーで盛大にぼかしたらそれで被写界深度が再現できるかというと、実際には違うんですね。
ですから、本格的な被写界深度の表現はむしろ、レイトレなどのジャンルのほうが高い精度で再現できる場合が多かったりします。
ところが今回のデモは、もちろん厳密な被写界深度とは全然違いますし見た目も間違いだらけではあるんですが、それでもなんとなく、それっぽく見えてしまうという不思議なビジュアルになっています。
個人的には、今回のやり方はその奇抜さという意味で、非常に驚きでした。
ポストエフェクトも合わせて使われていますので、外見がとてもキレイなデモになっています。いろいろな意味で見どころのある作品だと思います。
ぜひチェックしてみてください。