電車がそのままライブ会場に!? 岐阜県のローカル鉄道とのコラボイベント CLUB TRAIN 2016
樽見鉄道とのコラボレーションクラブイベント!
今回ご紹介するのは、昨日に引き続き国内での WebGL を使った事例となります。
今回のサイトは、岐阜県に実在する樽見鉄道というローカル鉄道と、同じく岐阜県を中心に活動している、とある研究室のコラボイベントのために作られたものだそう。
情報科学芸術大学院大学というところが活動の拠点になっているようで、NxPC.Lab(新次元多層メディア的クラブ体験研究室)というのがこの研究室の正式名称。Twitter アカウントを見てみると、以下のように書かれています。
クラブやライブ空間における体験の拡張をテーマに、クリエイティブコーディングやDMX、デジタルファブリケーションなどを用いて、実験的な場所での音楽活動やワークショップなどを行っています。
今回の企画は、鉄道(電車の車体)をそのままクラブにしてしまうという大胆なイベントで、既に同様のイベントを過去に行った実績もあるみたいですね。とても面白そうです。
ポストエフェクトを使ったトンネルのような表現
今回のウェブサイトは、特にページ遷移等を伴わない単体のページとして実装されています。
背景に常に動き続ける WebGL のアニメーションするデモが再生されており、手前の部分にイベントに関するインフォメーションなどが出ています。
鉄道と、トンネルのような表現というのが、なんとも味な組み合わせだなと思いました。
静止画ではどうしても伝えるのが難しいんですが、画面の奥の方から、ワイヤーフレームや短冊状のポリゴンなどが勢いよく流れてくる、そんな 3D 演出になっています。
ブルーム表現や、ノイズを乗せたような表現がポストエフェクトによって実現されており、近未来的な雰囲気がなんともかっこいいですよね。
画面内のドラッグ操作によってカメラが動くようにもなっていて、ぐりぐりと視点を動かしてやると、トンネルの形状が立体的に捉えやすいかなと思います。
また、モバイル端末での描画にも対応していて、なんとモバイルの場合はジャイロセンサーに連動してカメラがインタラクティブに動くようになっているみたいですね。
視点を動かしてみると立体感がより顕著に。
ウェブページ内に置かれているコンテンツはそれほど多くないのですが、出演者を一覧にしたリスト状のパーツや、樽見鉄道の路線をイメージさせるようなパーツが仕込まれています。
この路線の書かれたパーツを見ると、大垣を夕方に出発して、そのままクラブとして車両を使ったパフォーマンスがあり、折り返して 21 時過ぎに大垣に戻ってくるというスケジュールみたいです。
ローカル鉄道のちょっとレトロな、日常的な風景のなかに、若者を中心にしたカルチャーであるクラブやライブといったイベントが組み合わさったとき、いったいどんな新しいフィーチャーが生まれるんでしょうか……
私は残念ながらクラブとか行ったこと無い(!)んですけど、昨年の様子を撮影した動画なども公開されており、とても楽しそうな雰囲気がそこからも伝わってきます。
今回のウェブサイトは、背景に WebGL のデモが置かれた比較的シンプルな構成のデモになっていますが、このデモ、なんと実質 2 日ほどの作業でサクッと実装したみたいですね。
天才か……
もともと、openFrameworks を使って VJ 用に作ったプロダクトを改造して実装されたとのことですが、それにしても短期間で見事に仕上げるものだなあと感心してしまいました。
鉄道とコラボするというイベントそのものの趣旨も非常に興味深いものですが、トンネルという鉄道ともどこか関連したようなテーマをうまく利用して、ハイセンスにまとめたキレイな作品に仕上がっています。
余談ですが、実装されたのは私のスクールの受講者さんでした……あっさり先生を超えていきました……
非常にかっこいいサイトになっていますので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、昨年の様子は以下の動画で参照できます。