初めてのシェーダでも待ったなし! 個性的な作品が入り乱れた GLSL workshop in 仙台!
初めてでもここまでできる!
今回ご紹介するのは、先日、東北は仙台で行なった「入門者向け GLSL Shader workshop in 仙台」のイベントレポートです。
私自身、東京以外の場所での初めてのワークショップ開催でした。東北でも WebGL や GLSL を盛り上げていきたい! という熱い声援をいただく機会があり、私としても未知の体験ではあったのですが、仙台市まで足を伸ばし入門者向けのワークショップを開催してきました。
当日は十数名の参加者さんが集まってくださり、GLSL のシェーダ基礎講座から、参加者さんたち自身が記述したシェーダ投稿作品の上映会まで行いました。都心で行うイベントと比較すると人数こそ少ないですが、とても盛り上がった楽しいイベントでした。
個性的な投稿作品は実に 23 作品!
昨年、2016 年の末にも、実は GLSL のワークショップを開催したのですが、そのときは場所は都内で、参加者は 40 名近くいるという状況での開催でした。
今回は仙台のデータコム株式会社さんから会場を提供していただき、無償でのワークショップ開催を行うことができました。
データコムさんのサイト……なにげに WebGL ですねw
仙台にゆかりの無い私のような主催者も快く受け入れてくださって、本当にありがたかったです。データコムさん、ありがとうございます!
当日は午後からのスタートでしたが、GLSL の基礎講座、そしてゲスト講師によるライブコーディング。さらには、もくもくタイムで参加者さんたちに自ら GLSL でシェーダを記述してもらうという流れ。
今回は、初めてのシェーダ体験という方が非常に多くて、というか ほぼ全員がシェーダ初体験 という状況だったのですが、もくもくタイム中に投稿されたシェーダ作品の数はなんと 23 作品 という驚きの数になりました。
ゲスト講師の佐々木氏や、私自身の作品も入っているとは言え、初めてシェーダを書いたという人が大多数を占めるなかでこの作品数ははっきり言って異常にすごいと思います。
これが仙台のチカラか!
ゲスト講師の佐々木さんの作品。ポテチがピンチということでシェーダでポテチを再現(笑)
今回のワークショップで参加者さんたちが投稿してくれた作品には、私が解説を務めた基礎講座やゲスト講師によるライブコーディングから、テクニックやソースコードを流用した作品が多く見られました。
というのも、ワークショップで利用した自家製の GLSL Editor では、簡単にコードを Twitter などでシェアできる仕組みがあるので、講義の間も気になるコードは Twitter で URL をシェアするだけで、簡単に参加者さんたちの手元に届けることができたんですね。
この仕組みを利用したこともあって、ライブコーディングのときに目の前で驚くべき速さで書きあがったレイマーチングのコードが、参加者さんたちの手によってさらに魔改造され、不思議で個性的な作品がたくさん投稿される形になりました。
以下の作品なんかは、レイマーチングを改造したものなんですが、どこかノイジーな感じの、あまり見たことのない不思議なレイマーチングになっています。
すごい!
たんしおさん作「暗黒世界」
また、ほとんどの方が初心者ということを踏まえ、私の方から「ウェブから拾ってきたやつを改造したもの」でも、投稿して構いませんというアナウンスをしていました。
以前、@naotaro0123さんが記述した「ドラえもんシェーダ」というのがあるのですが、そのシェーダのコードを見つけてきて、ドラえもんシェーダシリーズを完成させた参加者さんもいました。
下の画像は、そんなドラえもんシェーダシリーズのひとつ、「工場出荷時ドラえも◯」です(笑)
青く染まってしまう前の、黄色いドラえもん。上映会の際には「出荷時って耳生えてたんじゃね?」という声に会場が爆笑に包まれるなんて一幕も。
その他にも、サイン波を作って波紋模様を作り、波紋が重なることによって偶発的に生まれる模様を上手に使った作品や、タンジェントをうまく活用することで、魔法陣の模様のようなものが浮き上がる、面白い作品なんかもあります。
繰り返しますが、これらの作品は、そのほとんどが 当日初めてシェーダを書いたひとたち の作品です。
ほんと、その感性とセンスには驚くばかりです。
わずか数時間の座学と、一時間あまりのもくもくタイムだけで、本当にたくさんの作品が投稿された今回のワークショップ。
イベント後に参加者さんたちからいろいろ話を聞いたりする中で感じたのは、やっぱりまだまだシェーダや WebGL がそもそも知られていない場合が多く、実際にこうして体験してみれば意外と敷居は低いんじゃないかなってことでした。
実際、WebGL をしっかり理解した上で、今回のワークショップにも利用したエディタとかを自分で実装するのはかなり大変でしょう。
しかし、最初からフラグメントシェーダだけに注目することができる環境を作っておき、ポイントを絞って挑戦していく分には、短い時間でも十分にシェーダコーディングを楽しむことができるんですね。
私自身も得るものが多い、とても素晴らしいイベントでした。
ありがとう仙台!
今回は舞台が仙台でしたが、いずれまた、今回のような GLSL の入門者向けワークショップを開催したいなと感じさせるイベントでした。
文末のリンクからは、今回のワークショップで実際に上映したスライドにアクセスできます。
突発的に、不思議な映像が生まれることも多いシェーダアートの世界。
みなさんもぜひ、上映会スライドをご覧になってみてください。初めてのシェーダコーディングでも、数時間でこれだけのいろいろな作品が出てくるところが、シェーダの素晴らしいところだと思います。
参加されたみなさん、会場を提供してくださったデータコムさん、ゲスト講師の佐々木さん、みなさん本当にありがとうございました。
リンク:
GLSL Workshop 2017 ※上映スライド
入門者向け GLSL Shader workshop in 仙台 - connpass ※告知ページ
GLSL Editor ※ワークショップで利用した自家製シェーダエディタ