小説と楽曲にインスパイアされて制作されたストーリー性のあるミュージッククリップ The Fall of NeoDubai
制作に至った背景が興味深い作品
今回ご紹介するのは、The Fall of NeoDubai というショート・ミュージッククリップ作品です。
こちらの作品は、Kind Doudou というフランスのミュージシャンの楽曲と、LéoHenry の小説が発想の原点になっているそうで、The Fall of NeoDubai というタイトルからも、なにか近未来的な SF 要素のある作品からインスパイアされた WebGL 作品なのかなと思います。
それほど CG 敵に特異な部分があるわけではないのですが、ご紹介します。
小説になぞらえた構成
今回の作品は、ミュージッククリップという形になっていますが、それほど長い作品ではなく、数分で全部見ることができます。
レンダリングは割とシンプルというか……むしろ three.js であれば簡単に実現できるテクニックを中心にしたものだと言えると思います。
それでも、こういったストーリー性のある作品を作るのは、実際にやってみたことがあれば自明かと思いますが、結構大変なものです。ショートフィルムといった感じの雰囲気ですが、インスパイアされた小説作品のストーリーに沿って、チャプターが別れている形なのかもしれません。
ご覧のとおり、シーンには Chapter I などの表記が浮かび上がってくる場面があり、それに合わせてシーンも徐々に変化していきます。
発光する浮遊体(もしかすると空飛ぶ自動車的なものかな)が出てきたりしますし、やっぱりどこか SF 感がありますよね。
冒頭はフォグが赤っぽい色をしていますが、シーンが進むと徐々にこれが青っぽい感じに変わっていき、ビルの様子も少しずつ変わってきます。
また、この上の画像をよーく観察するとわかるかと思いますが、微妙にレンダリング結果が歪むようなポストエフェクトが掛かるときがあります。
特に手前のビルの部分なんかがわかりやすいかなと思います。
今回の作品はミュージッククリップという形になっているため、King Doudou の Badman というタイトルが BGM として流れているのですが、それに連動して時折エフェクトが発生するような感じですね。
ストーリーが進むと、徐々にシーンの様相が変化し、最終的には空からたくさんの隕石が落ちてくるような演出もあります。
元になっている小説のストーリーなどがいまひとつわからないので推測になってしまいますが、タイトルにある NeoDubai というキーワードは、なにか日本の作品で言うところの AKIRA とか、そういうサイバーパンクな雰囲気を連想させます。
また、都市が隕石の襲来で徐々にダメージを受けて崩壊していく様子など、なかなか工夫して表現しているように感じました。
欲を言えば、せっかくポストエフェクトなども使っているようなので、もう少し演出を盛ってもよかったのではないかなあという感じもします。そこはひとそれぞれの感性があるので、作者さんの気持ちとしては、これで十分だったのかもしれませんね。
あまり CG としては特筆すべき点が多いわけではありませんが、ショートストーリー系の映像作品としてはなかなかおもしろい内容だと思います。
ぜひチェックしてみてください。