砲台が点在する要塞のような島がそのまま美術館に! 友ヶ島第3砲台美術館の特設サイトがすごい
ちょっと禍々しさすら感じる風合い
今回ご紹介するのは、和歌山県に誕生したとある美術館のウェブサイトです。
その美術館は、友ヶ島第3砲台美術館というのですが、本土と淡路島のちょうど中間あたりにある友ヶ島のなかに存在しています。
調べてみると、友ヶ島自体は無人島なのかな…… と思うのですが、ラピュタの世界観をそのまま再現したかのような「廃墟」が残っていることで有名なようです。
なんか普通にキャンプとか海水浴とかもできる場所みたいなのですが、今回のサイトも、どちらかというと廃墟的な側面に強く関わる内容となっています。
リンク:
ヤミツク くらやみのいきものに関する調査結果展 | 友ヶ島第3砲台美術館
純和風なホラーを連想させるノイズ活用法
今回のサイトは、友ヶ島に誕生した美術館のサイトなのですが……
その美術館は、もともと友ヶ島に大量に建造された砲台(大砲)や廃墟をそのまま美術館として運営しているものらしく、こういった廃退的な雰囲気が大好きなひとにはたまらないロケーションになっているのではないでしょうか。
サイトのほうはと言うと、廃墟というロケーションや、今回の公開されている展示内容などとの関連から、ホラー映画風の演出がなされています。
まあこれ、ほとんど真っ黒で見えにくいと思うのですが……
ページのトップ部分で表示されるトンネルのような風景写真が、マウスカーソルの位置に応じてこのような外見に変化するようになっています。
今回のサイトでは、スクロールして下へ下へとコンテンツを読み進めていくことができるのですが、縦に並んだコンテンツは、およそ1ページ分の幅でいくつかに区切られています。
その区切られたブロックのなかでは、カーソルの位置に応じて風景がダイナミックに変化するようになっており、光と闇の絶妙なコントラストを楽しむことができます。
たぶん、以下の箇所とかが、最も違いがわかりやすい部分かもしれないです。
カーソルの位置に応じて、手前と奥で光と闇が入れ替わるように変化する。
また、ここに掲載している各種キャプチャ画像ではちょっとわかりにくいと思うのですが、今回のサイトでは、シーン全体を覆うような感じで、絶えずノイズを使ったモヤモヤとした模様が描かれます。
言葉で説明するのがちょっと難しいのですが……
暗闇から得体のしれないなにかが漏れ出してくるような……
ちょっとどこか禍々しい、不気味な雰囲気が見事に再現されています。ホラーが苦手な人はちょっと気をつけたほうがいいかもしれないレベル(笑)
今回のサイトのフロントの実装は、株式会社部室さんの手によるものだそうです。実は実装に関わった方々が、私の WebGL スクールの受講者さんだったこともあり、今回の事例を紹介していただくことができました。(ありがとうございます!)
お話をうかがったところ、今回のサイトではノイズを使った演出が行われていますが、風景写真の本来の風合いを消してしまわないように、あまり過度に演出を全面に出すのではなく、もともとの写真の雰囲気はしっかり残しつつ演出を組み立てされたということでした。
確かに、私もさっき「静止画ではわからないと思いますが」みたいなことを書いちゃったのですが、本当に静止画だとよくわからないくらいの、さりげないエフェクトなんですよね。
でもこれが、実際に動いている様子を見ると、すごく背中にゾワゾワくるような、じんわりと染みてくるような迫力が感じられるから不思議です。
パフォーマンス面や質感にこだわって作成された、非常に素敵なエフェクトのサイトとなっています。
ぜひチェックしてみてください。