近未来的な雰囲気とレトロ感が絶妙なバランスで共存する強烈な世界観が面白い CTRL-Z Flyer
美しいグリッチワールドに浸ってみよう
今回ご紹介するのは Felix Turner さんの作った Demo Flyer 作品、CTRL-Z Flyer です。
CTRL-Z というデジタルアートのパーティ・イベントに使われたデモ作品(タイトルに Flyer とあるとおり、ブラウザで見ることができるイベントのチラシ、みたいな位置づけでしょうか)なのですが、いわゆるウェブサイトという感じではなく、一点物のデモコンテンツという感じの作品です。
トップページ部分のみのデモ作品なので、コンテンツとして読み物が用意されているわけではないのですが、その圧倒的なグラフィックスの存在感は見応え充分です。
リンク:
クリックしてホールドすれば世界が一変
今回のサイトは、デジタルフライヤーという位置づけなので、インタラクティブに操作できるウェブ上で閲覧するチラシという感じです。
ですからいわゆる普通のテキストなどはサイト内には配置されておらず、イベントのコンセプトアートをそのまま 3D 化したシーンが描かれます。
ネオンのように鈍く光を放つオブジェクトは非常に美しくて、ただぼんやりと眺めているだけでも心になにか訴えかけてくるような迫力があります。
これをよく観察してみてもらえるとわかるかと思うのですが、絶えず画面全体に微妙なポストエフェクトが入っています。
砂嵐状のホワイトノイズっぽいエフェクト、さらにブラウン管モニターさながらの、色が少しズレてしまっているようなエフェクトなど、すごく味わい深い風合いが演出されています。
色が左右にブレたように見えるエフェクトも、ズームブラーのように放射状に効果が及ぶようになっていて、一言では説明することがちょっと難しいような、複雑な奥行きのあるグラフィックスとなっています。
全体が平行投影によって描画されているのも、なんともいいですね。
この 3D シーンは、ドラッグ操作を行うことで視点を自由に動かすことができる他、そのままマウスボタンを押しっぱなしでホールドしておくと、グリッチノイズが発生するようになっています。
このグリッチがまた、なんとも言えずいいですね。
グリッチノイズによって歪む量や、その頻度も、ホールド時間の長さによって常に変化するようになっています。
また効果音との親和性も非常に高く、世界が崩壊していくような、廃退的な雰囲気満点です。
今回のサイトの本来の主題である CTRL-Z というイベント自体は、過去に既に開催が終了しているものなので……
この作品も、たぶんイベントが募集している段階でいろいろな人の目に留まったのだろうと思います。
私は今回たまたま見つけただけで、イベント自体についてウォッチしていたとかではないのですが、とにかくこの世界観、そして丁寧に実装されたポストエフェクトの完成度など、とてもハイレベルで驚きました。
こういう世界観は、好きだというひともかなり多そうです。
非常にかっこいいデモになっていますので、ぜひチェックしてみてください。