超常現象を想起させる神秘的な雰囲気がお見事！立体音響効果も盛り込まれた Turn of the Screw のウェブサイト

doxas : 2020-01-20 13:50:45

オペラ作品のプロモーションコンテンツ

今回ご紹介するのは、オペラ作品のプロモーションの一環として作成されたウェブコンテンツです。

WebGL を利用して描かれる 3DCG としてのビジュアルはもとより、立体音響の効果などもブラウザ上で体験することができる、かなり本格的な実装となっています。

CG の部分の完成度も高いですし、単なる動画のティザー映像などとは異なる、インタラクティブな没入型体験を行うことができます。

今回のサイトは、ヘッドホンがあるなら是非とも利用することをおすすめします。

というのは、先程も書いたとおり今回のサイトでは立体音響効果（WebAudio）が使われていて、CG で描かれるシーンの進行状況やカメラアングルに応じた、空間の広がりを感じられるような音声の再生が行われるからです。

WebAudio は WebGL と比べても引けを取らないほどに専門的な知識を要求される API なので、なかなか本格的な実装に出会えること自体が稀なのですが……

今回の作品では立体的な音の広がりを見事に実装していますね。

トップページで品質（Low, Medium, High から選択可能）を選択すると、まるで映像作品のような感じで WebGL のシーンが再生されていきます。

画面の下にはシークバーのような感じでタイムラインが表示されていて、全体のどのあたりの進行度合いなのかを常に把握することができます。

描き出されるシーンは幻想的、あるいは神秘的な、とても美しいシーンが多いです。

植物や人間などの有機的なオブジェクトが半透明のマテリアルになっていて、ほんの少しの不気味さをうまく演出しているように思います。

再生されるシーンのなかには、幽霊のような、半透明のマテリアルが適用された人間の形のモデルも出てくるのですが…… この人型のモデルの「3D シーン内での位置」から、彼らの歌うオペラの歌声が聞こえてくるようになっています。

3D シーンはマウスのドラッグ操作などでぐいぐいとカメラを動かすことができるので、歌声の聞こえてくる方角が、カメラアングルによって常にリアルタイムに変わり続ける様子を体験することができるでしょう。

人型モデルが左右に配置されているようなカメラアングルでは、音もそちらから聞こえてきます。後ろにいる場合は、もちろん後ろから聞こえてくるかのように感じられるはずです。

3DCG としての完成度も、WebGL を使っている作品としてはかなり作り込まれていて美しく仕上がっていますし、立体音響効果と組み合わせたことで作品全体の雰囲気もグッとよくなっているように感じました。

実際のオペラ作品の内容としては、幽霊が登場するちょっとホラーな側面もあるようです。

元になっている作品がオペラなので、今回のサイトでも、立体音響効果で聞こえてくる音声がオペラの歌唱音声になってるんでしょうね。