環境音や自然界の音色を組み合わせて新しい世界を生み出すサウンドデザイナー Chiara Luzzana さんのポートフォリオ
まるで抽象画のような WebGL デモ
今回ご紹介するのは、数々の受賞歴を誇るサウンドデザイナー Chiara Luzzana さんのポートフォリオサイトです。
サウンドデザイナーってどういう職業なのかなって最初は思ったのですが、今回のサイトを見るといろんな新しい発見というか、こんなことをやっているひとが世の中にはいるんだということがわかり、個人的にはとても新鮮な気持ちになりました。
自分の知らない世界を知るのって、とても刺激的ですよね。
リンク:
Chiara Luzzana — Sound Designer
WebGL だけではなくすべての完成度が高い
最初に断っておくと、今回のサイトでは WebGL は演出の軸というわけでも、コンテンツの主役というわけでもありません。
あくまでも、サウンドデザイナーである Chiara Luzzana さんの持つ世界観、そのある1つの側面を WebGL を使って表している、というだけなのだと思います。
まるで、抽象画のようなある意味では掴みどころのない……
しかしそれでいてコンセプトアートやキービジュアルとしては妙に説得力のある、そんな WebGL 実装のように感じました。
この薄い円盤が重なったようなオブジェクトは、WebGL によって 3D のジオメトリとして描画されますが……
同時にサウンドビジュアライザのように、音に反応して微妙に動くようにも設計されています。
まるで陶器のような質感で落ち着いた雰囲気のグラフィックスですがこれがサイト内で絶えず再生されているアブストラクトな BGM にすごくマッチしていてめちゃくちゃかっこいいです。
また、画面の左下あたりにあるリンク文字をクリックすると、明暗を反転したような質感になります。
冒頭にも書いたとおり、今回のサイトは WebGL はあくまでもこのサイトにおける表現の1つの側面だと思います。
サイト内にあるその他のコンテンツ、あるいは CSS などを利用した演出も、どれも完成度が非常に高いですね…… すごく洗練されています。
また、個人的にはサイト内で見ることができる、サウンドデザイナーとしての活動を記録した映像群が本当に素晴らしいと感じました。
でっかいガンマイク片手に世界中を飛び回り、環境音を採集してはそれを組み合わせて音楽を作っていく…… 本当にすごいひとがいるもんですね。
WebGL の実装としては、音に反応するデモが1つあるだけという感じでかなりシンプルな構成ですが、とにかくサイト全体としての完成度が高く、ウェブのフロントエンドの技術という目線で見ていると様々な発見があります。
BGM とサイトの雰囲気、フォントの印象とアニメーションの滑らかさなど、あらゆるパーツが絶妙なバランスで組み合わせられているなと感じました。
すごく丁寧な仕事のサイトです。
ぜひチェックしてみてください。