コロナウィルス感染症の影響が続くことを受けてオーストラリアの SBS が公開した Story Line
電話を通じて集められたメッセージ
今回ご紹介するのは、オーストラリアの公共放送局である SBS が公開しているウェブサイトです。
SBS は先日も WebGL を利用したコンテンツを公開していましたが、今回のサイトもかなりガッツリと WebGL を活用した内容になっています。
このサイト自体は、コロナウィルス感染症の影響が長期化するなかで、SBS が「電話」を通じて集めたメッセージを公開しているものなのかなと思いますが……
About ページなども特にないので、詳しい使い方などはちょっとわかりませんでした。たぶん、実際に電話が通じる環境であれば利用できるのかな……
リンク:
Story Line: Six Months of COVID-19 - The Feed - SBS
ちょっと変わったエフェクトにも注目
今回のサイトがどのような意義・意図で公開されているものなのかは、細かく解説することは難しいので……
WebGL の実装部分に注目しつつ、紹介していこうと思います。
今回のサイトではコンテンツはすべて 3D 空間上に立体的に配置されます。別の言い方をすると、DOM を使って配置されるコンテンツは基本的のはほとんどなく、すべてが WebGL の描画結果として画面上にレンダリングされます。
PC であれば、ドラッグ操作を行うことでコンテンツをぐいぐいと動かすことができるようになっており、球体の内側から、球体の表面を眺めているようなビューが広がっています。
文字はすべて Canvas 上に WebGL で描画されるので、DOM によって配置されたテキストなどとは異なり、選択したりコピーしたりといったことは基本的にできません。
ですから英語がそれなりに理解できないと、どのような内容が記述されているのかはちょっと把握するのが難しいですね……(翻訳に掛けたりが気軽にできないため)
タイトル部分の英語は結構わかりやすい文章なので、なんとなく、SBS が電話の仕組みを使ってメッセージを集めたものが掲載されているということはわかりますね。
表示されるのは、単純な文字のメッセージのほかに写真や動画もあります。
文字が画面上に現れるときのフェードイン演出が結構独特で面白いので、実際にサイトにいってご覧になっていただくことをおすすめします。横方向に細くスライスされた文字列が徐々に形を変えながら文字を構成していく様子はなかなか面白いです。
またこれも実際に動く様子を見てもらわないとちょっと伝えるのが難しいのですが……
今回のサイトでは画面の端のほうにある写真や文字が、ちょっとだけ変色するようなエフェクトが掛かっています。
これがなんか不思議な質感で、ついつい観察してしまいますね……
右上のほうにまるで光が当たったようなエフェクトが掛かっているのがわかるでしょうか?
この変色するエフェクトはなんだろうな……ライトを使ってるわけでもなさそうですし、多分ポストエフェクトなのかな……
どういうふうに実現しているのか、ちょっと気になります。
描画されるものすべてが WebGL のレンダリングなのでかなり迫力があり、ビジュアルとしての説得力も強く感じられますね。
SBS というと日本で言えば NHK に相当するメディアだと思いますが、公共の放送局らしい、社会性の高いコンテンツだと思いました。
ぜひチェックしてみてください。