Lusion が公開している大量の群衆がヌルヌルと滑らかにうごめく驚きの WebGL 実装 Abduction がすごい!
直訳すると「拉致」
今回ご紹介するのは、そのド派手なコーポレートサイトでおなじみの Lusion が公開している実験作、Abduction です。
Abduction は直訳すると拉致という意味ですが、そのどこか恐ろしいニュアンスのタイトルとは裏腹に、今回のサイトではなんとも陽気な BGM が流れ、ちょっと楽しげな雰囲気に仕上げられています。
タイトルや雰囲気はジョークも含めて楽しい感じですが、技術的には非常に驚きが多く、大量のオブジェクトがヌルヌルと遅延なく動く様子は圧巻です。
リンク:
マシンパワーと相談して群衆の数を変えてみよう
今回のサイトは、あくまでも実験作という位置づけです。
ですから何かしらの商品の販促が行われるわけでも、ストーリー仕立てのゲームがプレイできるわけでもありません。そういう意味では、コンテンツとしては極めてシンプルな構成になっています。
画面の右上に dat.gui のメニューがある他は、About ページが一応用意されている程度です。
描き出されるシーンを見れば、出落ちというか、もういちいち説明は不要そうな感じもするのですが……
UFO がたくさんの人間を拉致するシーンを模した 3D ビューが描かれます。
マウスを使ってシーンに干渉することができ、シーン内をドラッグしたりすれば UFO が動きますし、ホイール操作を行えばグッとカメラをズームしたりもできます。
ブラーや被写界深度のような効果も施されているため、非常に美しい CG になっています。
申し訳程度に用意されている dat.gui で作られたメニューからは、大地でうごめく人間(?)の数を変化させることもできます。
数を増やすということは当然負荷も増えますので、そこは実行環境のスペックとよく相談して設定を変えてみましょう。おそらく、それなりにハイエンドなマシンでないと、最大人数に設定するとちょっと厳しい状態になると思います。
参考までに、GTX 1080 Ti の環境で最大人数にすると、あきらかに処理落ちするような感じになりました。たぶん、30fps くらいかな?
まあやっていることを考えると、むしろ軽すぎるという驚きのほうが強いですが……
今回のサイトはあくまでも実験作なので、途中にも書いたとおりなにかストーリーが用意されているわけではありません。
しかし、実験作にもたくさんの遊び心と、手加減のないクオリティを突っ込んでくる Lusion は本当にすごいですね……
なにより、これだけのオブジェクト(群衆)を処理しているのにめちゃくちゃ動作が軽快で、その点だけを見てもとんでもない作品だなと感じました。
単純に見ていて楽しい作品になっています。
ぜひチェックしてみてください。