
ポイントクラウドで屋久島の風景を再現した WebGL 実装が静かに佇む YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE
もともとは有料コンテンツだったものみたい
今回ご紹介するのは YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE です。
こちらは以前は有料コンテンツとして期間限定で公開されていたものらしいのですがカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルで受賞したことを契機に、7月から無償公開されているもの、みたいですね。
そのコンテンツはいわゆるポイントクラウドでアーティストが演奏する様子を立体的なデータとして捉えたもの。
そのコンテンツの内容に合わせてだと思うのですが、ウェブサイトでもポイントクラウドデータが使われた WebGL 実装がなされています。
リンク:
YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA
カメラワークが独特で面白い
今回のサイトでは、おそらく実際の屋久島で採集したと思われる点群データが使われています。
アニメーションしたりするわけではないですが、結構しっかりと立体感を感じられるデータになっていて、やや遠目から見ていると写実的なディティールも感じることができます。
カメラワークは自動ですが、若干マウスで干渉することもできます。
ゆったり、じっくり、独特なスピード感でカメラが空間を移動していく感じで、なんかしばらく放置しておくと全然違うアングルに移動していたりします。
点群データには本来「点の大きさ」という概念は無いわけですが、今回の WebGL 実装ではカメラとの距離に応じて自動的にポイントに対してスケールが掛かるようになっており、より立体感をしっかりと感じられるようになっていますね。
点がカメラにすごく近づいた場合などは、丸いシルエットがかなりしっかり見えます。
ちなみに今回のサイトの本編というか、メインコンテンツであるアーティストが登場するシーンのほうも、ある程度カメラワークは固定されています。
マウスカーソルを動かすことで、それに追従する光の玉のようなオブジェクトの動きが加わったり、若干カメラアングルが動いたりもします。
完全に自由にカメラが移動できたらより面白かったような気もしますが…… ここはあえて完全に自由に動くようにはせず、演出を考慮したカメラワークになっているのだと思います。
もともと有料だった期間限定のコンテンツが、こういう形で無償で公開されるというのはなんか珍しいことのような気もしますが、どうなんでしょうね……
点群系のデータは、あまり難しいシェーダの話などを持ち出さなくてもかなりフォトリアルな印象のビジュアルを再現できるため、個人的には見栄えがしやすいコンテンツだなっていう感覚があります。
今回はエンターテイメント的な用途で使われていますが、商業的な目的でも点群データってよく使われていて、WebGL とも相性が良いため、今後こういうのがもっと増えていくといいですね。
ぜひチェックしてみてください。