1つの美術館がそのままブラウザ上に再現された Ruinart の The Unconventional Gallery がすごい
柔らかい陽の光の再現度も高い
今回ご紹介するのは、主にシャンパンなどで名前を知られている Ruinart(日本ではルイナールと呼ばれているらしい)のウェブサイトです。
今回のサイトは、Ruinart と David Shrigley さんというアーティストのコラボレーションというのが企画の趣旨のようで、まるで美術館のような空間が WebGL で再現されています。
美術館の独特な空気感が見事に再現されていて、時間のあるときにゆったりと眺めるのがおすすめです。
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インタラクティブ性のあるギミックがこれまた見事
今回のサイトでは David Shrigley さんの手掛けた本物の美術作品が、そのまま WebGL で再現されています。
実際に美術館に足を運んだときのように、作品を順番に眺めながら散策していくような、そんな雰囲気です。
WebGL で実装されているものの、手にとって眺めるような操作はできず、本当の美術館にいるかのようなちょうどよい距離感で順路を巡っていきます。
冒頭に流れるイントロムービーこそプリレンダリングされた CG の動画ですが、美術館の中に入ったあとは完全にリアルタイムな WebGL で描画されたシーンです。
作品のそれぞれは、クリックすることでより詳細な情報を閲覧することができるようになっており、いろんな作品を観察したりぼんやり眺めたりしていると、本当に美術館に来ているみたいにワクワクした気分になってきます。
WebGL を使って個々の作品が持つ手触りみたいな部分まで極力再現されていて、すごく丁寧な仕事です。
この上のキャプチャ画像を見てもらうとわかりやすいかと思うのですが、この空気感というんですかね……
美術館の中に差し込む陽の光みたいな表現がすごく見事なんですよね。恐らくほとんどはベイクした陰影だとは思うんですが、すごく自然な仕上がりになっています。
また、作品によってはカーソルを添えてみたり、あるいはクリックしてみたりすることでなんらかの変化が表れるギミック的な仕込みもいくつかあります。
このあたりも、すごく面白いですね。
壁に書かれた「LOOK CLOSER」の文字。マウスカーソルを重ねると……
WebGL を使ったミュージアム的なコンテンツの多くは、デジタルミュージアムみたいな感じで「現実の美術館ではできないようなデジタルならではの表現」みたいな方向性になってることが多いと思います。
一方で、今回のサイトの場合はどこまでもリアル志向というか……
現実世界の美術館に実際に立っているような、そんな気持ちにさせてくれるのがすごいですね。
ただ、掲載されているアート作品は、逆にリアル志向というよりは抽象画っぽいテイストのものが多く、そのあたりのテイストのギャップみたいな部分も面白いなと感じます。
とても完成度の高い実装になっていますので、ぜひチェックしてみてください。