いまだかつて誰も見たことのない未来と世界を体現させた KUBOTA FUTURE CUBE がすごい
その至高の手触りを体験しよう
今回ご紹介するのは KUBOTA FUTURE CUBE という株式会社クボタが提供しているウェブサイトです。
制作は mount inc のみなさんを筆頭に、たくさんの関係者の手によって丁寧に丁寧に作り込まれた、とても完成度の高い作品となっています。
すでに Twitter などでいろんな人が言及していて今さら当サイトで紹介するのも野暮かなとも思いましたが、紹介しないという選択を取るのがあまりにも難しいため…… 私なりの言葉で僭越ですが紹介できたらと思います。
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静止画でキャプチャすることに意味がなさすぎる
今回のサイトを紹介するにあたりまず最初に言いたいことがありまして……
当サイトの記事で結構よく書いてしまう言葉に「静止画では伝わらないと思いますが」というのがあります。これはもう読んでそのままの意味で、当サイトの記事の体裁上、スクリーンショットをキャプチャして掲載しているものの、そういった一場面を切り取った静止画ではその魅力を十分に伝えられない場合にそんなふうについつい書いてしまいます。
今回のサイトはまさにその極致にあるようなウェブサイトで、実際に自分で見て、動かして、そうして初めて感じ取れるものの割合がすごく大きいウェブサイトです。
ですからぜひ、実際にサイトに行って自分自身の手で触ってみていただきたいなと思います。
イントロのシーンでは、KUBOTA FUTURE CUBE というサイトのタイトルどおり、キューブ型のオブジェクトがまず表示されます。
このキューブ型のオブジェクトはサイト全体で演出のかなり中心的な役割を担っていて、場面転換や各種のシーン演出で空間的な広がりのある世界を上手に演出してくれます。
ポストエフェクトも使われていますがそこはかなり最低限に留められており、画面全体で演出を組み立てていくというよりは、キューブのなかに「まだ見ぬ未来の世界がまるまる閉じ込められていて、それを外から覗き込んでいる」かのように演出されていますね。
ときにキューブが画面全体を覆うように大きく映ったかと思うと映像作品の一場面のようにプリレンダリングの動画が流れたりする場面もあり、そのようなシームレスな世界線の遷移が絶えず行われます。
キューブという構造物が持つ多面体的なニュアンスで、複数の切り口からビジョンを見せたりする…… みたいな意味も込められているのでしょうか。
各シーンのそれぞれにストーリー性があり、プリレンダリングで描かれる壮大な 3D 世界と、あえてイラストっぽいテイストが残された絵本風にも見える 2.5D の世界とが目まぐるしく変化する様子は本当に見事ですね。
あらゆるインタラクションにかなり大きな視覚的な変化が伴うにもかかわらず、その1つ1つが物理的に自然な動きに調整されているため操作していて飽きることがありません。
まさに実際に触ってみないとわからない手触り感がそこにはあって、ここまで「静止画でキャプチャ撮っても絶対この感覚は伝わらないわ……」と感じたサイトはいままでになかった気がします。
ウェブサイトと紙媒体の大きな違いの1つにインタラクティブ性があると思うのですが、極まるとこんな感じになっちゃうんだなというのが体感できる、そんなサイトだと思います。
内容に対して考えるとロード時間とかもすごく短く感じますし、単にグラフィックスやビジュアルがすごいというだけではなく、サイト全体としての緻密な組み立てまで含めて完成度の高いサイトだと感じました。
キューブの内側の壁に映り込む世界はあえて解像度を落として、よりキューブの中央にあるメインテーマを際立たせるような演出がされていたり、たぶん最初にこのアイデアを思いついたあともかなりの試行錯誤や工夫が凝らされてきたのではないかなと感じます。
あまり多くを語るのも野暮かと思いながらいろいろ書いてしまいましたが、まずはぜひ、みなさん自身の手で触って感じてみてください。