
世界が直面する食糧問題に対する1つの答えを模索する Forged のウェブサイトがなかなか個性的
2D 的な表現も 3D も
今回ご紹介するのは、Vow という組織が行っている Forged というプロジェクトに関連したウェブサイトです。
Forged というプロジェクト自体は、どうやらいわゆる「培養肉」と呼ばれる技術を研究・開発しており、これによって人類全体の食糧問題解決に貢献しようということのようですね。
しかも今回のサイトでは特に、マンモスの DNA から復元した培養肉を扱っています。培養肉という概念の是非や法的判断はともかく、単純にウェブの実装として、ここでは紹介したいと思います。
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演出はどれもリッチで凝ったもの
今回のサイトでは、ちょっとあまりにも直球な表現なんですが、マンモスの培養肉を利用したマンモスミートボールというのを1つのプロジェクトとして扱っています。
ページのロードが終わり、イントロページから Enter と書かれたボタンをクリックしてサイトに入ると、思いっきりその画像が出てきます。(これは 3D モデルではなく、単なる画像ですね)
なぜあえてマンモス由来の製品なのか……
そのあたりもサイト内には一応思想的なこととかいろいろ書かれているのですが、だいぶキャッチーと言いますか、いろいろ物議を醸すテーマだなと個人的には思いました。
白いモヤが掛かったような表現など、2D 的な表現もかなり工夫して作られています。
初めてこのサイトを見たとき、この白いモヤは湯気(蒸気)なのかなと思ったのですが、マンモスということになるともしかして絶対零度的な、要は冷気によるモヤを表現しているのかもしれません。
静止画では伝わりにくいと思いますが、マウスカーソルを動かしてやるとモヤの部分がゆらゆらと微妙に動くようになっていて、インタラクションも結構凝った演出になっていますね。
そして、さらにページを進めていくと、今度は普通に 3D のモデルが動くシーンが出てきます。
完全にマンモスですね……
トップページの印象からすると、こういった思いっきり 3D 的な表現が出てくるイメージは無かったので、最初ちょっとびっくりしました。
あくまでも個人的な感想に過ぎませんが、演出上のトーンが合ってないというか、チグハグな感じがしてしまったんですよね。
でも、ではどうすればよかったのか、というのを問われるとなかなか難しい問題だなとも感じます。どうしてチグハグな感じがするんだろうな…… 背景を黒にして、マンモスをもっと写実的な質感にしてやればよかったのかもしれません。
今回のサイトの WebGL 実装は、2D 的な表現も、3D 的な表現も、それぞれを単体で見た場合にはすごく丁寧に作り込まれています。
2D 的なモヤモヤの表現は、マウスカーソルによるインタラクションも非常に自然な感じで完成度が高いですし、フェードイン・フェードアウトのような表現も迫力があります。
3D シーンも別になにか悪いわけではなく、普通に丁寧に作られていて見ごたえがあるのですが、どうもサイト全体としてのトーンを考えたときに、もう少し違った演出方法を模索してみてもよかったのではないか、と個人的には感じました。
繰り返しになりますが、あくまでも個人的にチグハグな感じがしただけで、人によって感じ方は違うかもしれません。
普通に WebGL 実装としてのレベルは高いと思います。
気になる方はぜひチェックしてみてください。