
幻想的で美しい世界を旅するハイエンド WebGL 実装がすごすぎる! Cartier のスペシャルコンテンツ
すべてのシーンがハイエンド
今回ご紹介するのは、カルティエ(Cartier)のスペシャルコンテンツです。
たぶん腕時計のコレクション用に作られたものだと思うのですが、まあとにかくなんていうか…… 描き出されるシーンのどれもが完成度高く仕上げられており、いちいちため息が出そうになります。
CG 的にきれいに見えるためにどんな工夫をすればいいかがすごくよく研究されており、そういう意味でも勉強になるのではないでしょうか。
リンク:
Watches and Wonders Genève 2023 | Cartier®
反射や屈折を有効活用
今回のサイトで紹介されている腕時計には、それぞれのモデルごとにコンセプトに沿った 3D シーンが用意されています。
反射が美しいもの、屈折表現が美しいものなど、それぞれのモデルごとの個性がありビジュアルの美しさにもいろんな個性があります。
統一された世界観として共通しているのは、3D 空間の足元の部分に水面が用意されていることですね。
もうこの一枚のスクリーンショットを見てもらっただけで、説得力がすごいと言いますか、絵としての完成度の高さが伝わるのではないでしょうか。
鏡やガラスを連想させるようなオブジェクトは現実世界で目にしても美しく感じるものの1つだと思いますが、こうして CG でそれが再現されているとより表現としての美しさに磨きがかかる感じがします。
静止画ではわかりにくいと思いますが、カーソルを重ねてやるとシーンにわずかに変化が起こるようになっていて、インタラクティブ性についてもすごくよく考え抜かれています。
透明系のオブジェクトの場合は、腕時計のシルエットが屈折して見えることですごくリアリティのあるビジュアルになっています。
一方で、場面によってはメタリックな風合いの、反射を質感の中心に据えているシーンも出てきます。
ここでも背景の映り込みなどがすごくいい感じに演出されていますね。
カメラワークや場面転換の表現も全体の質感を損なわない温度感でしっかり丁寧に作られていて、とにかく非の打ち所がない感じがします。
CG で表現しやすいもの、表現しにくいものっていろいろあると思いますが、反射や屈折といった表現の場合、それが「物理的に正しいかどうか」ということにさえ目をつぶれば、かなりリアルな質感を比較的手軽に再現することができます。
また同時に、物理的に正しくなくても、人間の視覚はそれを本物っぽく感じますし、よほど不自然なアルゴリズムでなければ現実との差分に気がつくことは多くの人にとって難しいことと言えるでしょう。
今回のコンテンツは CG 的な技法・手段を用いてまるで本物の素材のような質感を実現しつつ、幻想的で、ハイクラスなブランドイメージにぴったりな世界観を描き出しています。
とても完成度の高い、素晴らしい実装だと思います。
ぜひチェックしてみてください。