アーティストたちが 3D モデルとなって歌い踊る! バーチャルライブ会場 SoundWaves World がすごい
えっ!? 技術力…… ヤバすぎ!?
今回ご紹介するのは、SoundWaves World というウェブアプリケーションで、アメリカの有名な音楽祭・映画祭である SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)で提供されたコンテンツみたいです。
こちら音楽祭のイベント自体はすでに終わっているので、現在は跡地的な状況となります。すぐに見られなくなってしまう可能性もありますので、その点はご注意ください。
記事の執筆時点ではまだ会場は生きており、仮想空間を自由に動き回ったり、音楽を楽しんだりすることができました。
リンク:
とんでもなく金が掛かっている……
今回のサイト、私が発見したのがこのタイミングだったのが非常に残念なのですが、おそらく同時に接続しているユーザーが可視化されるオンラインでリアルタイムにコミュニケーション可能な本格的なウェブアプリケーションです。
巨大なライブ会場みたいな 3D 空間を自由に移動することができるようになっており、会場にはアーティストたちが巨大な姿で召喚されてきます。
ここで「召喚」とあえて書いたのですが、これ比喩ではなくてまじで召喚されてきます。
画面の右上にあるメニューからアーティストを選択すると、光の柱が天空から降り注いで来て、アーティストが召喚されて 3D で眼の前に出現します。
これマジで本当にびっくりしたのですが、アーティストたちの姿は平面的な動画素材を流しているわけではなくて、立体的な構造を持ったスキンメッシュになっています。
巨大なアーティストの 3D モデルがグリグリ動いているんですけどこれどうなってるんですかね…… めちゃくちゃお金掛かってます。
事前にモーションキャプチャ可能な特殊な機材を使って全方位から立体的にデータをスキャンしておいて、それを WebGL で使えるように glTF かなんかにコンバートしたものと想像しますが、本当にすごいですね……
ソロのアーティストだけでなく、バンドを組んで複数のメンバーがいるようなユニットもすべて立体的に可視化されますので、迫力がすごいです。もちろん、流れている音楽とモーションは完璧にシンクロします。
3D 空間のつくりもめちゃくちゃ凝っていて、大きな窓から店内の様子が見える場面、これとあるコンシューマのゲームタイトルで当時話題になった、板ポリゴンなのに中に空間があるように見えるやつ、だと思うんですが技術力ほんとうにエグいレベルでヤバすぎますね……
技術力ヤバすぎと思って少し調べてみたら、どうやら実装は Active Theory らしく、そこですべてを理解しました。
納得の超クオリティです。
インターフェースもすごく工夫されており、ビジュアルだけでなく操作性やユーザーの体験にもしっかりとフォーカスが当てられており、とにかく完成度が高いです。
表情やカラーリングなどある程度アバターをカスタマイズしたりもできる。
アーティストの動きをキャプチャして 3D データ化する部分は、おそらく専用の機材を使って事前に収録したんだろうなと思いますが、それをこういった形で違和感なくウェブに乗っけているというのが本当にすごいです。
アバターを空中に吹き飛ばす(大ジャンプさせる)ギミックが用意されていたり、キーボードなどで気軽にリアクションを表現できるようになっていたり、それでいて 3D シーンの実装にも軽量化の工夫が随所に見られるなど、ウェブの 3D コンテンツという意味で本当に隙がありません。
一般的なウェブサイトに比べたら、いくら軽量化の工夫がされているとは言ってもそこは WebGL の事例ですので、描画の負荷やロードの待機時間などユーザーの負担となる面が無いわけではありません。しかしこの完成度と体験の手軽さを考えれば、これほど有意義なコンテンツもなかなか無いのではないでしょうか。
ぜひチェックしてみてください。