フォトリアルな質感のリンゴが妖しくそして美しく流れ輝く Envy のウェブサイトがおもしろい
リンゴの存在感が半端ではない
今回ご紹介するのは、Envy というリンゴの銘柄を扱った特設サイトです。
ちょっと調べてみると、どうやら T&G Global limited というニュージーランドが本拠の企業があり、その企業が扱っているいくつかの主要ブランドのなかに、今回のサイトの主役である Envy という銘柄のリンゴがあるようです。
果物や野菜などを扱う大きなグローバル企業のウェブサイトとはいえ、たった1つの自社の銘柄のためだけにここまでのウェブサイトを作ってリリースしているというのはなかなか驚きです。
リンク:
Mela Envy - Envy non è una mela è un’esperienza
女性的な美しさをリンゴだけで描き出す
今回のサイトで扱っている Envy という銘柄、サイトのタイトルを見ると Male Envy とあるので、女性的なニュアンスでブランディングを行っている銘柄なのかもしれません。
事実、サイト上からリンクされている Instagram の投稿を見ると、女性が登場する写真が多くあるようです。
そういう予備知識を持った状態で今回のサイトを眺めてみると、なるほど上手にブランドのイメージを表現しているなと感じます。
このリンゴの質感……
なんというか、凄みがあります。
写実的な質感で描かれるリンゴはとにかく存在感が素晴らしくて、3D 空間に配置された光源が動くことで、いろいろな表情を見せてくれます。実際には、テクスチャが高精細なものになっているという単純なことだろうとは思うのですが、それにしても見た目の印象は強いです。
3D 空間には細かなパーティクルも浮遊しているので、3D シーン全体の雰囲気もどこか妖艶な感じに仕上がっています。
スクロールすることでどんどんコンテンツが進んでいくようになっているのですが、途中、リンゴが切断されていくつかに分割されるような演出も見ることができます。
変に切断エフェクトなどを出すような過剰な演出はせずに、静かに流れるようにリンゴがバラバラになっていく様子もなんとも言えない迫力がありますね。
文字や文章に対してもすごく凝ったエフェクトが掛かっているので、静止画でキャプチャされたものを見ただけではたぶん全体としての雰囲気が伝えきれない感じがします。
ぜひ、実際にサイトに行って確かめてみていただければと思います。
霞が掛かったような、ぼんやりとにじむような光の表現が本当に美しくて、リンゴの質感の良さも相まって引き込まれるような、不思議なテイストに仕上がっていると思います。
こういう感じでブランディングされている日本の果物の銘柄ってあるんですかね? ちょっとわたしは思い浮かばないのですが、このようなサイトを見てしまったら否が応でもその銘柄のことを記憶してしまうような、そんなインパクトのある WebGL 実装だなと思いました。
技術的には、ライトとブルームの使い方が非常にうまいですね。シェーダなどで凝ったエフェクトを掛けたりしているわけではありませんが、全体的な画作りとしてはよく考えられていてしっかり作り込まれている事例だと思います。
ぜひチェックしてみてください。