実際の展示の雰囲気を高純度でウェブ上にも再現した Ambient Weaving Ⅱ Virtual Gallery がおもしろい
重厚で静謐な雰囲気
今回ご紹介するのは、Ambient Weaving Ⅱ という実際にオフラインで行われていた展示をデジタルアーカイブとして再現したウェブサイトです。
この展示、株式会社 ZOZO NEXT、東京大学筧康明研究室、株式会社 細尾 が共同で行っていたものらしく、織物などをテーマにした作品が展示されていたそうです。
今回のサイトでは、暗く静かな美術館、といった雰囲気が見事に WebGL で再現されています。
リンク:
Ambient Weaving Ⅱ Virtual Gallery
操作感はスイスイと軽やか
今回のサイトは実際の展示をお手本として、その雰囲気をウェブ上での体験として再構築したものだと思います。わたし自身、その展示を実際に見に行ったりはしていないので、現実の展示とどの程度リンクしているのかはちょっと想像が難しかったです。
ただ、静かで落ち着いた雰囲気の空間、という感じで世界観が作り込まれており、これに関してはかなり見事に表現されていると思います。
マウスカーソルに対するインタラクションは比較的軽い手触りで、軽快に閲覧が可能です。
わたしはデザインやインタラクションについては無知なのでなんとも言えないのですが、ビジュアルの雰囲気は落ち着いた静謐な空間という感じなのに、操作感自体はすごくスイスイとしていて不思議な感じがします。
たぶん、インタラクションがもう少しどっしりとした印象だとまた違って見えるような感じもするのですが、どちらかというとフォトリアルな傾向のややトーンの暗いビジュアルなので、反対に動きは軽快にしてバランスを取っているのかもしれないですね。
シンプルなインターフェースは操作に迷うこともなく、とてもわかりやすく配置されています。
黒をベースにした空間に、光を用いて展示を印象的に見せているという感じが CG にも滲み出していてすごいですよね。
カメラの動きなども工夫されていますし、展示を巡っていくかのようなライブ感のあるカメラワークは見事です。
なお、各作品にはそれぞれ個別に下層ページが用意されており、その作品についてより詳しく知ることができるようになっています。
どのようなジャンルの企画でも、こうやってオフラインで展示していたものをデジタルアーカイブとしてウェブに持っていくのは、言葉で書くよりもかなり難しいのではないかなと想像します。
それぞれの作品に込められている背景や思いを、どうやってウェブ上で表現するのか。多くの場合、写真や映像でそれをやってしまおうという判断がなされる場合が多いのではないでしょうか。
今回のサイトではそのあたりかなり野心的に、しかも品質を落とすことなく見事に再現がなされており、なにか一種の執念みたいなものを個人的には感じました。
ぜひチェックしてみてください。