メッセージ性を強く感じさせるウォール・ストリート・ジャーナルの特設サイト Unanswered
内容はやや重い
今回ご紹介するのは Unanswered というウォール・ストリート・ジャーナルが公開している特設サイトです。
information のページを見た印象では、どうやら自社に所属するジャーナリストを主人公とした、かなりリアルタイム性の高いいろんな問題を含んだ内容になっています。
これどう紹介するべきか本当に迷うのですが、国際問題や政治的な問題に触れることは難しいので、ここではあくまでもそのメッセージの内容よりも WebGL 実装としての側面から紹介してみようと思います。
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ビジュアルとサウンドの相乗効果
今回のサイトは、ソ連時代にアメリカに移住した両親を持つ、ロシア語を話すことができるアメリカ人ジャーナリストについて扱っています。
ここはわたしの理解をそのまま書いてしまいますが、そのジャーナリストがロシアで現在まさに拘束されていて、それを強く批難する意図(と寄付を募る意図)で作られているウェブサイトなのかなと思います。
こういう文脈のウェブサイトをこれだけ手をかけて作っているというところからも、同社がどれほどこの問題に真面目に取り組んでいるかがうかがえます。
サイトのタイトルにもなっている Unanswered というのは直訳すると「依然として回答がない」というような意味になるのかなと思います。
トップページには大きくタイトルの文字があり、その隙間に顔写真のアップ、そして画面下の中央あたりに、黒電話が置かれています。
この黒電話の部分は 3D モデルになっていて、質感がすごいですね。
単にリアルというよりは、どこか一昔前のモノクロフィルムで撮影されているかのようなテイストです。
サイト内のコンテンツは基本的に文章ですが、ナレーションもついているので音声としてそれを聴くこともできるようになっています。
サイト全体に漂う不穏で重苦しい空気感は、これはこれで目的を達成しているというか、いろんな感情を想起させるという意味で効果的に演出されていると言えると思います。
内容が内容だけに、なんか手放しで称賛するのも憚られる部分はあるのですが、雰囲気も含め、すごくよくできていると思います。
効果音の選択も、サイトのビジュアルが持っている雰囲気にマッチしたかんじになっており、ほんとになんというか見ていると気が滅入ってくるようなところがあります。
日本の新聞社や企業で、まったく同じ状況が発生したとしてこういったことがこのような水準で実行されるのかと考えると、なんかいろいろ考えてしまいますね……
WebGL の実装としては、逆にあまり見ない質感というか、ノイズを活用してどこか古めかしい感じを上手に演出していると思います。
気になる方はチェックしてみてください。