WebGL 総本山の更新 2,000 回に寄せて
特に面白いことも言えないけれど
みなさまこんにちは。
いつも WebGL 総本山を見てくださって、ありがとうございます。
振り返れば、このサイトを作って最初の記事を書いたのが2014年の9月みたいなので、7年弱くらい経ってるのですね。7年かけて、更新2000回。これが多いのか、少ないのか……自分ではなかなか判断が難しいのですがなにか節目であることは確かなことのように思います。
普段はあまりやりませんが、たまにはちょっとポエミィな記事でも書いてみましょう。
今回は WebGL 総本山の更新2000回に寄せて、思うところなど綴っていきたいと思います。
記事を書く側の視点と書かれる側の視点
いきなりなんですけど、WebGL 総本山って正直めちゃくちゃ怪しいサイトだなあって思っています。
どこの馬の骨とも知れない自称 WebGL おじさんなる人物が、勝手に人様のサイトや WebGL 実装を見て品評みたいなことをやっているというのは、よくよく考えてみるとすごく傲慢なことのように思えます。
実際、お前はそんなに偉いのか? みたいな気持ちは7年あまり続けてきた今でも毎回記事を書いているときにザワザワと首筋あたりから襲ってきますし、忖度というと大げさですが、紹介するからには良い部分や参考にできそうな技術にフォーカスするように心がけて記事を書いています。
紹介する側の立場としてはどうしても、そこかしこに存在している才能に対して恐れ多いなって思っちゃうんですよね。
どう意識から遠ざけようとしても、自分なんかがこんな大層なことをやっていて(あるいは言ったりして)いいのか、みたいなことばかり考えてしまいます。
でも、このような気持ちっていうのは実は記事を書く側に特有の感情というか、たぶん、紹介された側の感じ方っていうのはまた違うのかなというのは最近薄ぼんやりとわかってきたような気がしています。
たとえば私がなんか WebGL 実装を公開したとして、それをまったく知らない海外の Twitter ユーザー同士が「それなんてアプリ? ブラウザで動くの? いいね!」みたいなやりとりをしてるのをたまたま発見したりすると、それだけでめっちゃ嬉しかったりするんですよね。これほんとに。
だから WebGL 総本山の存在価値について考えるとき、私はいつもやや無理矢理にでも「紹介されたことを嬉しく思ってくれる場合のほうが割合としてはきっと多いだろうから……まあ 1mm くらいは世の中の役に立っているかもしれん」みたいな気持ちに落ち着くことができています。
それはまるで自分自身の化身のように
とは言え、さすがに7年近くも続けていると、ウェブサイトは(そもそもがもとより実際そうなんですが)とても私物化されたものになっていくというか、自分の分身みたいになっていきます。
句読点はこう打つ、全角英数と半角英数はこう使い分ける、スクショとスクショの間には最低でも3行分は文が入るようにする……といったような……
まあ知らんがなと思うような実に些細なこだわりポイントが異常な練度で醸造されていきます。
そうすると自然な反応として、自分という存在の薄っぺらさというか奥行きの無さが相対的にいかにもというかんじで際立ってきて、なんか毎回似たようなこと書いてるよな~とか、こんなの読んでる人まじで存在するんか……のようなネガティブな感情が湧き上がってきます。
こわいですね……
でも実際問題、自分のなかの「WebGL 総本山の更新という行為に対する心理的ハードル」を極力低く維持するようにしておかないと、たぶん続けてこれなかっただろうなと今は思います。前に渋川さん(@shibu_jp)とダメレオン師匠(@damele0n)と初めてお会いした席で渋川さんが「ブログを書くのも商業出版の書籍を執筆するのも、結局同じ文章を書くという行為であって、その文章に対して掛ける時間や推敲などのコストが違うだけなんですよね」みたいなことをおっしゃってて(曖昧な記憶)、総本山の場合もそういうかんじなのかもしれんなあと思いましたし、本当にすごい人ってのは普段からナチュラルにすごいことを考えていてすごいなあと語彙力の足りない思いを抱いたりしました。
要はどういうことだってばよ! って思われたでしょうか。
要約すると「ワシは自分の好きなように書くし誤字脱字あるかもしれんがサッとしか推敲はしないし、これは趣味、趣味なんです」という面の皮の厚さでもってどっしり構えるということも、たぶん必要だったんだろうなって思いますし、実際私自身は知らず知らずのうちに、きっとそうやって自分のメンタルをセーフティライン内に維持してきたんだろうなと思います。
なんというか、こいつ(このサイト)のために注いだ時間の長さは冷静に考えてしまうと本当に途方もなくて、恐ろしくて人月に直して計算することはとてもじゃないですができません。
また同時に、それをすることに大した意味も、ないんですよね。
自分が好きだから続けていく、無理そうだなと思ったら適度に力を抜いてみる、がんばりすぎずにそこそこな感じでやっていく、そういう姿勢が大事なんだろうなと2000回更新という節目に至りあらためて感じているところです。
次の節目はいったいどこに
なんとなく次は「2000回更新達成したしこれからは更新頻度を下げます」みたいな話が出てきそうな感じの流れですが……
正直な気持ちとして、もう少し今までのような感じで続けてみてもいいかなって、あまり気負ったわけでもなく自然とそんなふうに思っています。なんとなく、10周年まで続けてみるかな~なんて楽観的な気持ちが根拠はゼロですがぼんやりと浮かんでいます。
サイトを作ったばかりのころは、どれくらい続けられるか想像することは難しかったですし、あわよくばバカほどバズって広告収入でうめえうめえなんて考えたりしたこともあったような気がしますけれども、いまはそういう気持ちもどっか行ってしまいました。
まあ7年近く、経ってますからね……(遠い目)
近年は国内で WebGL が使われているサイト・事例も驚くほど増え、このサイトを作った頃と比較したら多少なりともこのサイトの存在する意義があるように思います。
私なんかがサイトを紹介しただけでどこかの誰かの気持ちが少しでも明るくなるなら、あるいはほんの少しでもサイトの流入に貢献できるなら、それでいいんじゃないかなと思っています。
願わくば、私がサイトを紹介したことが少しでも WebGL 実装者の権利や待遇の向上につながっていってほしい。ちょっと贅沢な気もしますが、そういう思いもあるような気がします。だからこそこれからも、粛々と続けていけたらいいなって思ってしまいます。
本当に10周年を迎えられるのか……
それは神のみぞ知るというところでしょう。
私自身、もうすぐ誕生日で、今年で40になります。
まだまだ人生長いなあ。
残された長い(かどうかはわからんけど)人生のなかで、一人でも多くの人の幸せに貢献できるよう、これからもがんばって WebGL 総本山の更新を続けていきたいと思います。本当に微力でしかありませんけど……
今日は最後に1つだけ、わがまま言ってもいいですかね? 2000回という節目なんで、許されるかしら。
もしよかったらいつも更新おつかれ&2000回おめでとう&40歳誕生日記念ということで Amazon ギフト券かなんか送ってくれましたら精一杯自分をねぎらうのに使おうと思います。アフィリエイトリンクではありませんのであしからず。 → Amazon ギフト券(E メールタイプ)へのリンク (admin@souhonzan.org まで送ってくれたらうれしい!)
最後に
最後になりますが、WebGL 総本山をいつも見てくださる方々のおかげで、私自身は本当に、本当に本当に嬉しくまたありがたく思っています。言葉を尽くしても、尽くしきれません。
また、世界中の WebGL Developer の方々にも、この場を借りて感謝の意をお伝えしたい。素晴らしい実装を公開してくださって、ありがとうございます。
これからも WebGL 総本山の運営、がんばって続けていきます。
いつもありがとうございます。