社会問題を世に問いかけるコンテンツ……見事に WebGL で再現された白い粉がリアル
メッセージ性の強いコンテンツ
今回ご紹介するのは、メッセージ性が強く、広く世に問いかける内容のコンテンツです。
映画や小説、ドラマなど、様々なエンターテイメントの世界では割と頻繁に白い粉が出てきます。日本人の多くは、そういったものに縁のない生涯を送ることになるのでしょうが、しかしそれでも日本や世界の各地で、麻薬や覚醒剤は今も現実に取引きされています。
今回ご紹介するコンテンツはそういった問題を世に問いかけるコンテンツ。
全編英語ではありますが、じっくりとご覧になってみていただければと思います。
最後に得た知識をテストで試すこともできる
今回のサイトの WebGL 実装部分はページのトップ部分にある一部だけです。
しかしページをロードした直後に再生されるこのデモは、まさしくサイトの顔となる強いメッセージ性を持っているような気がします。
ページが表示された直後は、黒い背景に点々と白いパーティクルのようなものが散らばっているだけです。しかし、これがアニメーションしながらタイトル文字を表すように集まってきます。
白い粉を表現したパーティクルは、一度文字の形になるとそのままでは一切動きません。しかしバックグラウンドでは WebGL による処理が継続しており、マウスカーソルを動かすと、まるで粉の山が崩れるように、白い粒が散らばっていきます。
この様子がなんとも秀逸。
非常に粉っぽい質感がよく出ていて、まるで本当に粉の山を指でなぞっているかのような崩れ方をします。
カーソルを動かすだけで、少しずつ粉は散らばりますが、ドラッグ操作をするとより大きく粉を動かすこともできます。
コンテンツの内容的に、あまり楽しんで遊ぶという気持ちにはなれないのですが、しかし見事な質感表現に目を奪われました。
サイト全体のコンテンツの内容としては、コカインに関するニュースや歴史を振り返りつつ問題提起するような感じでしょうか。英語のドキュメントなので細かいニュアンスはもしかしたら私が読み違えているかもしれませんが、図解や動画などもたくさん埋め込まれており、単一のサイトとしての完成度も非常に高いと思います。
ページの最後には、テストを受けることができるページヘのリンクが貼られています。
より問題を身近なものとして捉えてもらうための取り組みなのかもしれません。
ちなみに、今回のページを制作したのは WSJ、つまりウォール・ストリート・ジャーナルの関連企業のようですね。ただ、注意書きがあり、直接ウォール・ストリート・ジャーナルが関与しているというわけではないようです。
広告などを柱にする関連企業が作ったものみたいですね。
テストの回答には制限時間が!
メディアが WebGL を利用したコンテンツを配信するのは、どちらかというとまだまだ珍しいと思います。今回の場合は直接メディア企業が制作したコンテンツではありませんが、デザイン、訴求力、技術力、いずれも申し分ない見事なサイトに仕上がっていると思います。
より直感的に、またよりリアリティあるコンテンツとして、WebGL を効果的に利用しつつ配信される情報がある。このことが、とても素晴らしいなと感じました。
ぜひチェックしてみてください。