イルカが泳ぎまわる透明な海が美しい! 動物愛護に関連した珍しい WebGL コンテンツ
日本人にはちょっと理解されにくいかもしれない
今回ご紹介するのは、WebGL を使って動物愛護を訴えるという珍しいサイトです。
日本人はイルカやクジラといった生き物の動物愛護の話題になると、どうも複雑な感覚を覚えますね。そういう意味で、今回のコンテンツは、そのコンテンツの持つ意味や訴えたい内容からすると、ちょっと理解しにくいところがあるかもしれません。
しかし、そういう思想的な問題はいったん置いておくとして、単純にひとつの WebGL デモ作品として見てみると、とても良く出来た作品となっています。
ウィンドウサイズを利用した珍しいインタラクション表現
今回のサイト、おそらく趣旨としてはイルカを人間の管理下や飼育下で死なせてはいけない、というようなことを言わんとしているものと思います。
日本語版のサイトがあるわけではないので、たぶん、というふうにしか言えないのですが、イルカを捕獲して飼育するのはやめようという活動の一種だと思います。
こういう話題はいろんな考え方や捉え方があると思いますので、ここでは単純に WebGL の実装部分にだけフォーカスしてみます。
まずローディングが完了したあとに現れるシーン、これがとてもいいですね。
青く澄んだ海中を、イルカたちが優雅に泳ぎまわっています。
静止画ではわからないのですが、イルカたちのモデルはちゃんと泳ぐ際に体をしならせるように動かしています。旋回や方向転換などの際には、本物のイルカのようなリアルな動きを見せてくれます。
このサイトでは、一定時間の経過ごとに案内表示が出るようになっており、そこで指示されたとおりにマウスやマウスカーソルを操作することで、イルカがマウスカーソルに反応して何かしらのアクションを起こしてくれます。
たとえば上のシーンは、カーソルをスワイプしてみよう、とあります。
それにならって画面上でマウスカーソルを動かすと、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、マウスカーソルを追いかけるようにイルカが泳ぐのがわかるはずです。
あまりに早い動きには追従できませんが、イルカの泳ぐ速度に合わせるようにしてやると自然な動きでカーソルを追いかけて泳いでくれます。
これはすごいですね。
他にも、上の画像のようにクリックして画面のなかに泡を発生させてみたり……
海中を漂っている海藻をクリックしてやると、その海藻めがけてイルカが鼻先をぶつけるように泳いだりと、なかなかインタラクションにこだわりを感じる仕上がりです。
そして非常に珍しいなと思ったのが、最後に現れる、ウィンドウサイズを使ったインタラクション。
こちらはなんとウィンドウを小さくすることで、まるで水槽のなかにいるかのようにシーンが変化し、イルカたちの鳴き声がこだますという演出になっています。
水槽のなかに閉じ込められているという表現を、まさかウィンドウサイズで表現するとは、その発想に驚きました。
この動物愛護の活動そのものについては、いろいろ意見が別れるところもあると思いますが、少なくともこのサイトで試みられているインタラクションの表現には素晴らしいものがありますね。
また水面やイルカの動きなど、3D コンテンツとしては非常に凝った作りになっていて、レンダリングもとても綺麗ですね。
純粋に WebGL のコンテンツとして見てみても、非常に興味深いサイトに仕上がっています。
ぜひチェックしてみてください。