Revision 2017 で公開された Evoke への愛が込められた WebGL 製デモ作品
20 周年を祝う素晴らしい一作
今回ご紹介するのは、いわゆる demoscene と呼ばれるジャンルの作品のひとつで、WebGL で作られたオンラインでも閲覧可能なデモ作品です。
この作品が公開されたのは、先日ドイツで開催されていた世界でも最大級のデモパーティ Revision 2017 です。そして今回の作品のテーマである Evoke というのは、同じくドイツで開催されるデモパーティイベント。
Evoke が今年で 20 周年を迎えることを祝って製作された作品だと思います。デモシーンに詳しくない方であっても、作品に込められた様々な Evoke に対する思いをきっと感じることができる、そんな作品だと思います。
歴代の Evoke ロゴが勢揃い!
デモパーティというと、日本ではあまり馴染みがない人も多いかと思いますが、欧州を中心に海外では非常に人気の高いイベントです。
今年の Revision では、ある部門で日本人の方が優勝を飾るなど、デモシーン大好きマンたちにとっては大興奮のイベントだったのですが、そのなかには WebGL で作られた作品もありました。
今回ご紹介する「20」という作品は、holon というグループによって生み出された作品で、WebGL なので当然ブラウザでアクセスして閲覧することができます。
キャプチャ画像ではちょっとわかりにくいと思うのですが、作品に共通する雰囲気として、虹色に輝きながら様々なオブジェクトが次々と登場するような演出が組み込まれています。
キャラクターっぽい見た目のものや、抽象的なオブジェクトなんかもたくさん出てくるのですが、作品の軸となるテーマは Evoke でこれまでに用いられてきた、歴代ロゴマークたちです。
毎年特徴的なデザインのロゴマークが刷新される Evoke の、その歴史の一端を感じることができる作品になってるわけですね。
ウェブの表現としての WebGL と、デモシーン界隈の CG 表現は、同じ CG のジャンルではありますが厳密にはちょっと違った文化です。
デモシーンの作品は基本的には純粋なエンターテイメントに近く、CG としてのビジュアル、さらにはビジュアルとサウンドとの一体感、もちろん使われている技術的な側面なども踏まえて映像作品としての完成度が問われる感じ、といったらいいでしょうか。
そういう意味では、ウェブサイト上で用いられる WebGL の用途とはちょっと違った部分も多いのですが、それでも参考にできるところはかなり多いと思います。
すごく完成度の高い作品になっていますので、これを一般的なウェブ表現に取り入れていくことで、より高いレベルのビジュアルや演出を意識できる様になると思います。
デモシーンに長く携わっている人にとっては、とても懐かしいロゴがたくさん登場するであろう今回の作品。
実は私自身は、demoscene に詳しいかと言うと、そんなことはありません。なんというか CG のジャンルそのものが、比較的最近になって始めたものなのであまり昔のこととかは実際よく知らないことも多いです。
それでも、作中に登場するたくさんの個性的な Evoke のロゴや、この作品の最後に登場する 20 の文字などを見ると、やっぱりその歴史に圧倒される気持ちになります。
20 年間愛され続け、毎年多くのユーザーが訪れるイベントとして今でも開催されているという事実が、まずとんでもなくすごいことだよなって思います。
純粋に WebGL の作品として見てもすごい完成度です。
ぜひチェックしてみてください。